月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

3/4 アンドロイド演劇「さようなら」と ロボットワークショップ

2016-03-06 23:44:30 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


3/4
東京藝術大学+大阪大学+四国学院大学連携企画
―心はどこにあるのか―

アンドロイド演劇「さようなら」と
ロボットワークショップ
……………………

先日、さぬき映画祭にて
「さようなら」の
アンドロイド演劇と、
その映画を観た。

今回は、アンドロイド演劇と
それがつくられた経緯など、
演出の平田オリザさんと
ロボット研究の力石武信さんの
お話を聞くことができた。

……………………………

私は映画祭の時に一度観たり
話を聞いたりしているので
ちょっとしたネタばれ状態(笑)。

次女は今回初めて観るので
感想が気になった。

演劇を観て、
アンドロイドには心があるように見えて
じわっときたのだと。
けれど後の解説で
それはプログラミングされたものと知り
正直、夢が壊れたと。

なるほど(笑)
もっともである。


心があるように見えたのは、
こういうことからだった。

感覚のことを聞かれても
自分はロボットだから分かりません
と答えていた。
人のことも自分のことも、
遠くから見ているような
受け答えの仕方が
ロボットっぽいなと思ったらしい。

けれど、アンドロイドは
持ち主の女の人が死に
居なくなった後もずっと
生きてる時に頼まれていたように
詩を読み続けていた。

その姿が もの悲しく、
さみしいから
ずっと話しているように思えたようだ。
運送業者の人に、大丈夫か
(壊れていないか)と問われた時に
大丈夫です、大丈夫ですと
繰り返していたところは
まるで自分に言い聞かせて
いるようにも聞こえたのだと。

私も
ずっと読んでいた詩の言葉が
アンドロイド自身の
気持ちのようにも思えた。


谷川俊太郎の詩で、

どうしても 忘れられない
思い出があるといいな
………というところ。

その前には、
ひとりでいいから
好きな人がいるといいな
その人はもう 死んでてもいいから
………という言葉がある。


その詩の内容が
アンドロイドの気持ちと重なる、
忘れられない思い出のようにも思えて。


でも自分で考えて
言っているわけではない
と思うと、何だか複雑な気持ちだ(笑)。


………………………

演劇後のワークショップでの

人間もプログラミングされた存在
ではないか、という話は興味深かった。

自分が、
嬉しい悲しいなどの感情を持つのは
これまでの体験を通して
知ってきたことの
積み重ねなのかもしれない。

相手に対しての振る舞いも、
周りの環境によって
形作られてきた部分もあるように思う。

振る舞い方によって
その人の印象が決まるのなら、
心の中はどうあれ
演技のように振る舞い方を変えれば、
その人の印象は変わるのだろうか。

ひょっとしたら
振る舞い方を変えることで
気持ちまで変わるのだろうか。

そういう意味では
自分が陥りそうな負の気持ちの
極端な状態を回避するために
利用できるのかもしれない。

なかなか上手くはいかないだろうけど
色々なパターンを知ることで
何か役に立ちそうな気もする。


それにしても、心って何だろう。
考えれば考えるほど
分からないことも出てくる。


これまでなら
普通に生活していれば
自然と感情を体験できてきたことが
できない場合も増えているのだろうか。

そう思うと
プログラミングじゃないけれど、
人間も意識的に
体験できる機会を作らないと
だめなのかなと思ってしまう。

………………………

他には
人工知能の特性として、
得意なことや苦手なことが
挙げられていた。

得意なのは
人間の行動パターンを認識すること。
こういう時にこう反応する…というのを
プログラミングすれば
相手に合わせて反応できるらしい。

苦手なのは、
自分で考え 自分で行動すること。
いっぺんに色々な事をするとなると
計算が間に合わなくて
フリーズしたりするのだとか。

そうなのか。
そう思うと人間は
結構高度なことをやっているのでは。
ならば、そういう力を発揮できるよう
磨いていかねば。

………………………

アンドロイドに心がないと知り
落胆した次女だったが(笑)、
あれこれ話しているうちに
意気揚々と思い出したことを
あげてくれた。

ロボットという前提で見てたのに、
人間っぽさを感じて、
それがリアルに見えたのは凄い。

じゃあ、
人間っぽさって何だろう。
色々考えさせられた。


人間っぽさを持ったアンドロイドは
コミュニケーション能力が
高いんだろうねと話していると、
次女はいいことを思い付いたようだ。

人には話しにくいことでも
アンドロイドなら話せるかも!と。
親、兄弟、近い存在だと
かえって抵抗があることこともある。
そんな時に、聞いてくれる
ロボットがいたらいいなと言っていた。


そういえば話の中にもあった。
病院の診察で
医者の横にアンドロイドを座らせて
うなずいたり微笑んだりするだけで
話を聞いてもらえた感覚、
満足度が上がったという
データがあると言っていたような。


親近感、だろうか。
それを相手に抱かせる振る舞い。

ロボットにあれば役立つ能力。
もともとは
人間である自分たちとって
役立つものなのだろう。

今まで感覚として
何となく捉えていたことの
輪郭をハッキリさせるような…
難しいけど面白いなと思った。
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