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12345・・・無限大  一粒の砂

「一粒の砂」の、たわごと。
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未来予測 エネルギーシステム編(最終回)

2010年05月28日 06時27分08秒 | Weblog

上海万博が開催したのに呼応してか、NHKで「大阪万博40年・描いた未来はいま」が放送された。未来予測を元にした当時の展示であった。これらを見て未来予測というのはどのくらい的中するのか調べてみようと思ったのである。

丁度手元に「21世紀にむけての科学技術」茅陽一編 共立出版社 1984年・昭和59年8月10日初版発行があったので、順次これをひも解いて、現在は21世紀初頭であるがこれと比較して見た。

今回がこのテーマの最終回である。この章の場合も、この本が、まだそれほど地球温暖化に対する世界の政治的動向が顕著でなかった時代に書かれたものだった関係で、それほど的確な予測が出来たとは言えないものだった。

総じて述べれば、未来予測は、政治経済等の社会的な要因の予測が主となりとなりそれに技術予測が従っていくという前提でないと予測の的中率がどうしても低くなることを示したといえよう。本文中より、幾つか気になったことを列記した。

1.小規模分散化システムの有用性・・・1977年エモリー・ロビンズにより、巨大化・集中化したエネルギーシステムより小規模分散型エネルギーシステムの有効性が論じられたが、これが今日徐々に浸透し始めたといってよい。(個人住宅の屋根に設置している太陽電池)

2.環境問題がNox/SOxからCO2に変わった;NOx/SOxが大きな問題だった時期は確かにあったが、法的な規制が浸透し技術的な解決も進みこの問題は比較的短時間で解決された。次の大きな問題はCO2による温暖化対策となり、化石燃料の他の資源への移行を必然と予測していた。これはほぼ当たりである。

3.太陽エネルギーの利用・・・太陽熱・太陽光などに加えて、間接的太陽エネルギーとして水力・風力・波浪・潮汐・海洋温度差発電・バイオマス等を取り上げていたが、必ずしも主流にはなりそうにない予測だった。

現在、太陽光発電が急速に発展成長過程にあるといえるが、これも単に技術進歩だけでなくヨーロッパが発端となった政治的な規制や助成が大きく後押ししたことは否めない。

飛躍的な新未来技術のこれからは、政治・経済の後押しで発展の方向が決まるような気がしている。政治のあり方の大切な時代が来たともいえる。

最後に、この本の著者となられた工学系の冒険心に富んだ勇気ある権威者達に敬意を表し、無責任な本論を閉じることにする。