前日からの雨で術後初めて膝が痛み若干睡眠不足で、また3ヶ月以上多くの講座や教室を欠席したこともあり、9日(土)が今年度の源氏物語開講の日であることを全く失念していた。
生涯学習センターの職員の方から呼び出しの電話が架かってきて、大急ぎで教室に遅刻の出席、まことにばつの悪いこと。
光源氏は、据え膳を食わず、手ごわい女性ほど果敢なる闘志を燃やし、そしてその女性に対しては最大限の賛辞を持って接すると言う先生の説明が強く印象に残った。
またまた、塩野七生さんの「男たちへ」の「嘘の効用について」と言うエッセイから引用する。
彼女はご自身の経験から「・・・人間と言うものは百パーセントの嘘をつくことができないと思っている。彼の言う嘘には一パーセントではあっても必ず真実が含まれているはずなのだ。
その一パーセントの真実を百パーセントの真実に変えることは不可能でも、せめて十パーセント、いや、うまくいけば二十パーセントくらいにすることは、私の意思一つにかかっていることである。・・・」
イタリアでは、男性が女性に関心を示し、「ジュ・テーム」とか「ティ・アーモ」すなわち“ I love you. “ を男が口にするとき、一番最初に彼自身がその言葉を聞く。そして、二度三度と繰り返すと「嘘」が本当になってくる。
ひょっとすると、光源氏もこんな風に「嘘から出た真に」なったのかも知れないと思ったのである。
日本語で小生が「私は貴女を愛します」と言っても、石ころをぶつけられそうだが、光源氏だと、とても気の利いたすばらしい愛の言葉が囁けたのであろう。
イタリアでは、男性が魅力的な女性に積極的にアッタクするのは当たり前なのだそうである。女性にとって、男性が関心を示してくれないことは、自己の魅力不足だと感じるか、あるいは、本当に魅力的な女性にとっては、これほど魅力的な私を無視するとはと大変な侮辱を感じるそうである。
男が女に言い寄るのは、その女性に魅力を感じるからである。女性に魅力を感じた男性は、洒落た愛の言葉が捧げられるようでなくてはいけない。
せいぜい日本の女性には益々その魅力を開発してもらい男性から言い寄られるように勤めて欲しいのである。
そして、日本男性には源氏物語でも研究し、洒落た言葉で言い寄れるようになって欲しいのである。
おまけ:
電子辞書の「7ヵ国語会話」イタリア語編で「ジュ・テーム」とか「ティ・アーモ」を探したが、ついに検索できなかった。
旅行・観光用センテンスは沢山出て来たが、一番大切な愛の言葉が出て来ないとはどうなっているのかと不思議に思ったのである。