自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

晩秋、午後四時半の舞踏会

2014年11月26日 | Weblog



  晩秋、午後四時半の舞踏会

小さな植物園 そこが舞台
そのひと隅で照るひと株の
楓の壮麗な色彩 艶やかなヒロインだ

落葉した樹々たちは
この楓の黒子を
演じているのだろうか

僅かに枯れ葉を残した
若い栃の木が
楓の枝と交差する

交差するところに
山茶花が白装束で顔を出し
楓の前景に出ようとする

風で
山茶花の白が
見え隠れする

ヒロインは
意にかいさず
赤を極めた壮麗な深紅の装いで踊る

栃の木は若すぎ
山茶花は臆病だ
楓はどこまでもヒロインだ

けれど
徘徊する魑魅魍魎に
ヒロインは気づいているのだろうか