自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

核廃絶へ

2009年04月07日 | Weblog
(朝刊より)
 「米国は、核保有国として、そして核兵器を使ったことのある唯一の核保有国として、行動する道義的責任がある」。昨日のオバマ米大統領のプラハでの演説の一節。
 広島、長崎への原爆投下から今年で64年。米国大統領が「道義的責任」を語り、核廃絶への決意を表明した。米国の指導者で「道義的責任」を云々したのは、おそらくオバマ氏が初めてであろう。来日の時には是非とも広島、長崎を訪問し、つぶさに惨状を見聞してもらいたい。
 オバマ氏は核兵器が存在する限り抑止力を維持できるとしながらも、「米国の安全保障戦略の中での核兵器の役割を減らす」と明言した。大量の核保有を正当化してきた軍事戦略を修正するということだ。他の核保有国も同じ検討に着手すべきだ。
 核兵器は存在そのもが危険だ。オバマ政権がそう考える背景には、核テロが差し迫った脅威になったとの認識がある。核テロを封じるための国際機関の創設、核物質を安全な管理下におくための体制づくり、核の安全管理に関する首脳会議、などを提案した。
 こうした手段を尽くしても、核廃絶への道は険しい。「私が生きている間は不可能だろう」とそのことを認めたオバマ氏だが、しかし、「あきらめることは簡単で、そして臆病なことだ」と、行動への決意を強調した。(「私が生きている間」に核廃絶を実現してもらいたいと願うのは時期尚早であろうか。)
 オバマ政権が打ち出した核廃絶構想に日本が協力できることは多いはずだ。