自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

伊藤まつを媼

2009年04月03日 | Weblog
(以下は徒然想に記したことがある。)
 颯爽とした本を読んだのでほんの一部紹介。

 「工場、工場と銭(ぜに)こ取ることばかり考えているから、米の味などわからね(ないべ)。花っこの本当の美しさもわかるはずね。心のないものを扱って、何が楽しいべ。」
 「おら、楽しがったなぁ。米作りは、子育てと同じ。農業者は楽しいよ。いまの人たちは、何を楽しいと思っているのかなぁ。」
 「この植物たちもみな、生命(いのち)と思想を持っているんじゃないか。」
                      (『まつお媼百歳を生きる力』草思社)
 98歳で逝かれた岩手県の伊藤まつを晩年の言葉。田舎での時代を先駆けた恋愛結婚。極度に辛かった農家の嫁つとめ、先に逝った夫の愛情を逝かれた後日記を通して知った感慨、ペスタロッチやルソーに教えられた生活改善運動。自叙伝『石ころのはるかな道』、詩集『白寿の青春』の著者でもあり、晩年になるほど輝いた媼(おばば)である。1993年没。
 真似のできる事ではない。真似のできる事ではない。

(今日はちょっと遠出してきます。)