やんまの気まぐれ・一句拝借!

俳句喫茶店<つぶやく堂>へご来店ください。

コスモスを見てゐて風になりにけり 福本五都美

2016年10月22日 | 俳句
78
福本五都美
コスモスを見てゐて風になりにけり
広大な平野をコスモスが咲き競っている。思わずも引付けられて見とれてしまう。と、爽やかな風がさっと吹き渡った。ああこんな風になって何処までも飛んで行きたいなあと嘆息する。佇み続ければいつしか風になっている吾身がそこにある。綿のような雲と一緒にどこまでも軽やかに流れる肉体。現実に戻れば己が重力には抗し難し、かな。雄山閣「新版・俳句歳時記」(2001)所載。:やんま記