後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「都会の中の春の菜の花畑・そして菜の花の追憶」

2024年03月05日 | 日記・エッセイ・コラム

何故か私は春の菜の花が好きです。最近その理由を考えていたら2つの理由を思いつきました。

幼少の頃、庭の花壇に父が植えた菜の花に蝶が飛んでいました。春の暖い陽射しが蝶の白い羽根にあたり、キラキラしていました。そんな風景が心に焼き付いています。

短気で厳しかった父でしたが、草花へは根気が続き、庭には毎年、四季折々花が絶えませんでした。春になると一番先に菜の花と水仙が咲いていた庭を思い出します。戦争中でしたが、我が家の庭だけは平和でした。楽しい追憶です。

そしてそれからずうっと後になって、1974年にドイツを独り旅をしていた時の思い出です。薄暗い列車のコンパートメントの窓から、低い雲に覆われた野や林を見て居ました。

春先でまだ冬の様な光景が淋しく延々と広がっているのです。列車が憂鬱な林を抜けると、突然一面に菜の花畑が広がっていたのです。アッと息を呑んでしまいました。その花畑は明るい黄色で輝いています。中空に浮いているようにも見えます。

菜の花畑が暗い憂鬱な北国の冬を一気に吹き飛ばしているのです。感動しました。あの一面の菜の花畑の光景はこうしてキーボードを叩いている私の心に鮮烈に蘇っているのです。春の到来を告げる感動的な情景でした。当時のドイツでの仕事の苦しさと混じって何か悲しいような追憶です。

毎年、浜離宮の菜の花畑が咲きます。2011年にその写真を撮るために隅田川の川下りの船を浜離宮で降りました。下にその時撮った写真をお送り致します。これも菜の花にまつわる追憶です。

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