象潟(きさかた)は、秋田県にかほ市象潟地域にあります。現在は陸地だが、かつては潟湖(入り江)で、潟湖に島々が浮かぶ景勝地でした。
「東の松島 西の象潟」と謳われ、同じく東北地方の景勝地の松島と並び称されていました。
象潟の島々は、鳥海山の大規模な山体崩壊及び、その土砂が日本海に流れ込んだことによって生じたもので、いわゆる流れ山地形です。
芭蕉は『おくのほそ道』において「松島は笑ふが如く、象潟は憾(うら)むが如し」(松島は笑っているようで、象潟は憂愁に沈んでいるようだ)と評しましました。
芭蕉は「象潟や 雨に西施が 合歓(ねぶ)の花」という句を象潟で詠んでいます。
『おくのほそ道』の刊行後は、それに影響を受けた文人が多数、象潟を訪れるようになったのです。
現在も60ほどの島々が水田地帯に点々と残されており、当時のまま九十九島という名称が付けられています。
蚶満寺境内から、象潟の一部には、往復数キロに及ぶ遊歩道が設けられており、島々を巡ることができます。
写真は現在の秋田県の象潟です。

