まず時事ドットコム(http://www.jiji.com/jc/d4?d=d4_soc&p=ssg122-jlp13699320)の写真集からお借りした現場の様子を示します。
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今朝のテレビニュースでは9名の方々が尊い命を落としたと告げていました。
謹んで心からご冥福をお祈り致します。そして悲しみにくれているご家族や友人の方々へ神様の慰めと、慈しみがありますようにお祈り申し上げます。
これから何故天井が崩落したか、その科学的な調査が慎重に進められると信じています。
ところで報道によると、平らなコンクリートの重い天井板を、トンネルの上のコンクリートへ打ち込んだ鉄製のボルトで吊り下げていた構造だったそうです。そしてその鉄製のボルトが抜けて数十枚の天井板が落下したと報道されていました。
私は職業上、鉄鋼材料の腐食や経年変化、そして構造物の力の配分についてはいささかの知識がありました。
まず構造設計上の欠陥の可能性です。トンネルの頂上に近いコンクリートへ鉄のボルトを打ち込んで、天井板の重さを支えていたという報道がありました。
問題はそのボルトを太いナットに捩じ込んで、太い部分ごとトンネル頂上のコンクリートに固定していたか否かという問題です。ナットの太い部分がトンネル頂上の鉄筋コンクリートにしっかり食い込んでいれば、そのねじ穴に捩じ込んだボルトが抜ける筈がないのです。
そしてトンネル頂上付近のコンクリートの中に入れた鉄筋が充分であったかというコンクリートの強度そのものも問題になります。コンクリートの強度は経年変化で落ちろものもありますが、そんなことは土木技師の常識です。仕上げた現場の人の施工はどうだったのでしょうか?
さて一方、トンネル頂上近辺のコンンクリートに打ち込んだ鉄製のボルトの腐食も問題になります。普通の炭素鋼は安いのでよく使用されますが錆びやすいのです。耐食性の要求される場所ではステンレス鋼のボルトを使用します。あるいは海水中では塩水に接しても何十年間も腐食しない船舶用の合金で固定することもあると聞いています。(その上鉄よりも溶けやすい亜鉛電極を着けて、カソード防蝕もします)。
笹子トンネル上部の岩石から金属を腐食する硫酸成分を含んだ酸性の地下水が沁みだしていたのでしょうか?あるいは中性の地下水でも塩分を含んでいればボルトのネジ山は短い時間で腐食してしまいます。笹子トンネルの甲府側に出たところには塩山という地名の町があるので素人ながら心配です。
勿論、トンネルのコンクリートは完全に水を遮断する水密性のコンクリートですから地下水が沁み込む筈はありません。
これから厳密な調査がはじまります。いつもそうですが「慎重な調査結果が出るまでは発表しない」という秘密主義が見られます。
しかし似たような構造のトンネルが日本全国に数十あるそうです。大胆に天井板崩落の原因を仮定して、まだ崩落していないトンネルを早急に検査すべきではないでしょうか?
お役人や日本的な精神の技術者は、「科学的な仮定」の作り方が得意でありません。その上「仮定は予想だから信用しない」という間違った実証主義にこり固まっているものです。
柔軟な発想で早急にすべてのトンネルの吊天井の安全を確認して貰いたいと願っています。
今日は土木構造物の安全検査が全国で早急に進むことを祈ります。
後藤和弘(藤山杜人)
コメント有難う御座います。
今回の事故は、当然起こるべくして起きたと私は思っています。
人災です。
コメント有難う御座いました。
敬具、後藤和弘
しかし、どの局か忘れましたが、完成検査の際に、ボルトをねじ込んだコンクリートの厚みが設計に足りていないというクレームを付けていたとのことです。
昔から言われる手抜き。砂利を、コンクリートを食ったのではないかということです。工法以前のまた、設計通りにできていなかった。
そうなると当然起こるべくして起きたとなるのでしょうか。何処が請け負って、何処が施行したか調べたくなります。
それに関わった政治家まで疑いたくなりますね。