後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

共産党独裁国家、中国の人々の生活は我々と同じような日常生活

2014年10月29日 | 日記・エッセイ・コラム
「革命は銃口から生まれる」という物騒な共産主義をかかげた独裁国家の中国は、我々日本にとって恐ろしい国のような感じがします。
中国の共産党独裁政権内の権力闘争や中国海軍の増強と尖閣諸島の領海侵犯などのニュースを見ると非常に殺伐とした社会のように思えます。
しかし中国国内に住んで、日本の工場で働いている人の話を聞くと、中国の社会は日本と同じような家庭生活をしているそうです。
それを示すような道教寺院で撮ったスナップ写真を頂いたので以下にお届けいたします。道教は中国の民間信仰で、日本の神道のような多神教の宗教です。
そして道教は仏教と儒教とともに中国の三大宗教と言れています。ですから大部分の中国人はこの三大宗教を信じています。
その他に2305万人のキリスト教信徒や1800万人のイスラム教徒がいます。
中国の仏教はおもにチベット仏教(ラマ教)と、日本と同じ大乗仏教です。詳しくは末尾につけた参考資料:「中国の宗教事情」をご覧下さい。
最近、中国は宗教ブームでいろいろな宗教が活性化しています。
その理由は独裁政治を続けている中国共産党が「共産党へ楯突かない限り」、宗教の自由を大幅に認めているからです。
中国の民主化を主張したり、独裁政治を批判しない限り、自由に宣教して良いのです。
ただし全ての宗教組織は政府へ届けるのが命令されています。
この宗教の流行は今後も続き、中国では宗教はますます盛んになると思われます。
そこで中国の宗教や信仰の中身を理解すれば中国人への理解が一段と深まります。それを理解するカギになるのが道教です。
道教寺院は日本の神社のように大小さまざま何処にでもあります。
道教には理路整然とした明快な教義も理屈もありません。賽銭を上げて拝めば、家内安全、無病息災、商売繁盛、になるのです。入試も合格しますし、結婚も出来ます。よろずの願い事をかなえてくれるのです。
祀られている神様は関羽のような英雄であったり、地方の偉人であったり、千差万別です。立派な人が死ぬと、人々が守り神として祀るのです。
この様な信仰は日本の神道と非常に似ています。
日本人の多くは仏教と神道の両方を信じています。
同じ様に中国人は仏教徒もキリスト教徒も無宗教の人々も道教寺院にお賽銭を上げて家族の幸福を祈るのです。
道教の寺院(宮観)は漢民族が住んで居る場所なら世界中にあります。
日本人が昔、樺太や満州に神社を建てたように道教寺院は漢民族の守り神なのです。民族の宗教なのです。
これからご紹介する写真は、蘇州の日本企業の現地社長をしていたある方から頂きました。
道教の聖地、玄妙観の写真です。
祈っている中国人の様子を写した貴重な写真です。
一番目の写真は夕暮れの玄妙観の境内です。人々が寛いで歩いています。乳母車を押している母親もわき見をしながらのんびり歩いています。のどかで平和な光景です。

二番目の写真は祀ってある神々の像です。本尊を補佐する神々のようです。

三番目の写真では中年の女性がお賽銭箱(功徳箱)にお金を入れて立ったままお祈りをしています。息子の大学入試が合格するように祈っているのかも知れません。

四番目の写真の右側の女性は拝み台の上に膝まづいて祈ってます。その方が同じお賽銭なら願い事がかないそうな気がします。

五番目の写真では女性が膝まづいています。

六番目の写真では男性がおみくじを買って思案しています。

日本の新聞にこのような穏やかな中国人の暮らしぶりの写真は出ません。
しかし日常の中国人は静かに家族の平安を祈っているのです。
われわれと変わらないのです。新聞の報道は何故か片寄っています。
どんな民族でもお互いに仲良くなるためには、それぞれの平凡な毎日の風景を見れば良いのです。私はいつもそのように信じて来ました。
日本と中国とのあいだに絶対に戦争が起きないように祈っています。(終わり)

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
======参考資料:「中国の宗教事情」===========
 まだまだ動いている、中国の宗教の現状(2011-07-06) 
http://d.hatena.ne.jp/wanbi/touch/20110706/1309923707
 中国には、宗教人口の正確な統計が取られていないが、「百度百科(2011.7現在)」に、おおよその数字が記されていた。それによると、
 「仏教は、現在1.3万カ所の寺院があり、僧侶は約20万人、そのうちチベット語族の「ラマ教」の僧は約12万人、活仏は1700数人、寺院は3000余寺。「小乗仏教系」の僧侶は1万人、寺院は1600寺である。
 「道教」は、道教の宮観(寺院)が1500カ所、道師は2.5万数人である。
「イスラム教」はウイグル族など10の少数民族が信仰している。これらの少数民族の総人口は約1800万人、モスクは3万カ所あって、イマム(僧侶)は4万人。
「ローマン・カトリック教」は、信者の数は約400万人で、神父、教職人員は約4000人、教会堂、会所は4600か所。
「プロテスタント」は約1000万人いて、牧師が1.8万人。教会堂が1.2万か所、簡易集会所は2.5万か所となっている。
 1966年~1976年の“文化大革命”で、宗教を含む各方面に壊滅的な破壊をもたらした。現在は、中華人民共和国憲法第36条で、宗教の信仰の自由が定められている。
・キリスト教徒の7割が女性
 2009年に中国社会科学院世界宗教研究所が、31省でキリスト教信者の調査をまとめた「中国宗教報告」(2010)によると、中国のキリスト教徒は2305万人で、およそ全国の人口の1. 8%を占めるという。
(これは”百度百科”のカトリックとプロテスタントの合計数の1400万人よりも905万人上回るので、数字が著しく更新されたことになる)
 キリスト教徒のうち、洗礼を受けた者は1556 万人で67.5%占めた。中国の女性のキリスト教徒は男性より多く、その割合は7人対 3人といわれる。
・1993年以降に入信した者が73.4%
 中国のキリスト教徒の文化水準は、半数以上が小学校および以下にあった。入信の理由として、7割近くが「自分や家族の病気など」をあげ、「家がキリスト教徒であったため」というケースは15%であった。ただしここ数年来、キリスト教徒の数が大部分の地区で上昇しており、1993年以降に入信した者が73.4%に達しているという。資料 金沢編「中国宗教報告」社会科学文献出版社(2010.8)


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