もう何年も前になるが、ダライ・ラマの側近で桐蔭横浜大教授のペマ・ギャルポ氏の話を聞いたことがある。教養の深い知識人らしく、上品な日本語でチベットが中国に占領されていることの不当性を切々と説いていた。眉毛が濃く、黒目が光る顔が憂愁に沈んでいた。
話はとぶが中村彜画伯のロシア革命で祖国を終われた「エロシェンコ像」の悲しい表情と同じであった。
今回の騒乱をギャルポ氏はどんな思いで見ているのだろうか?
中国がチベットを占領するのは悪であろう。でもそれを非難する資格のある国家は存在するのであろうか?アメリカは武力でメキシコからカルフォルニアを奪い、フィリッピンをスペインから奪い、日本は台湾や朝鮮を奪った歴史を持つ。アメリカが純粋な人道主義から干渉するとしても中国政府が人道主義の意図を正しく理解するであろうか?それはどちらの両国にとっても悲劇である。そしてアメリカが介入することがチベット人にとって幸なのであろうか?かえって中国の武力鎮圧が残酷にならないであろうか?日本からチベットを訪問した記者達は現地の人々の考え方を直接聞くチャンスはあった筈である。何故、それを報道しないのであろうか?北京政府への遠慮であろうか?いろいろな疑問だけが増えて行く。
ロシアやイギリスはどんな目的でどのような方法で介入・干渉するのであろうか?
日本人の我々にはどのようなことが出来るのであろうか?心が暗くなるばかりである。
中国政府が穏健な政策をとるように祈る他はない。悲しいニュースである。
ですね。ウイグルもそうですが、言葉も文化もまったく違います。もともと無理な気がします。
実に博識でいらっしゃるから、適切な名言がでてくるのですね。
そうですね、無理がありすぎますね。
コメント有難うございました。藤山杜人