後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

帆船は横型帆のシップと竪型帆のスクーナーに分けられる

2018年05月01日 | 日記・エッセイ・コラム
友人の白崎謙太郎さんが海洋冒険小説の本をごく最近、出版しました。「明治・海・2人-スクーナーとカヌー」という本です。内容を簡単に言うと、2つの部分に分けられます。
一つはアリュート族の青年のニコライがカヌーでアリューシャン列島、カムチャッカ半島、そして千島列島へと単独航海する話です。
そして2つ目は横浜在住のイギリス人、スノーがスクーナー帆船で何度も千島列島へラッコ猟に行く話です。どちらも明治維新前後の話です。日本領の千島列島で欧米人はラッコ猟で莫大な利益を上げていたことに驚きます。
この本はあくまでも小説ですが、明治維新前後の知られざる史実が克明に書いてあるのです。
この本の面白さは幾つかありますが、少し予備知識があると一層興味深く読めると感じました。

そこで今日は、この本で何度も出てくるスクーナーと言う帆船の構造と特徴を説明したいと思います。この型の帆船が荒れた海でどのように帆を張り帆走するかが何度も書いてあります。この本のおもしろさの一つはスクーナーの操船技術の紹介にあるのです。

さて帆船は、帆の種類と帆を支えるマストの本数で分けられます。
帆には横帆(おうはん)と縦帆(じゅうはん)があり、横帆は文字通り横に長い四角形の帆です。縦帆は、船の中心線に沿って縦に張られる三角形の帆のことです。
横帆の特徴は、追い風には有利で向かい風には扱いにくいことです。大型帆船は、風の向きが安定している遠洋を航行するので、その多くは横帆を主帆として装備します。
一方縦帆は、帆の向きを変えることで向かい風に対して風上に登れます。狭い海路や近海で使う小型の帆船にはこの縦帆を用いられます。
言葉で説明すると分かり難いので写真で説明します。

1番目の写真は多数の横帆を上げた日本丸の写真です。詳しくは、「帆船カティサーク、帆船日本丸、そして私の帆舟、そのニ」(2018年04月05日 掲載)をご覧下さい。

2番目の写真は典型的な縦帆を上げたフランス海軍のスクーナーです。エトワール号の写真の写真の出典は、https://ja.wikipedia.org/wiki/スクーナー です。
「スクーナー」は、すべての帆が縦帆の帆船で、「トップルスクーナー」は、船首にあるマストの上部のみが横帆になっている帆船です。
なお広く趣味に使われているクルーザーヨットは「スクーナー」の一種ですが、一本のマストに縦帆を2枚張っている小型帆船で特に「スループ」と呼ばれています。

「スクーナー」の特徴は帆の上げ下ろしが5、6人の少人数で出来ることです。ベテランになると3人でも出来るそうす。ですから現在の日本でも人気があり、スクーナー型の帆船が使われています。

3番目の写真はスクーナーの帆船、Ami号の写真です。
写真の出典は、http://www.schooner-ami.com/index.html です。

4番目の写真はAmi号の操縦席、コックピットから竪型に上げてある前方の3枚の帆を撮った写真です。手前の帆はメインスルでその前はフォアスルです。一番前にロワーステイスルが写っています。写真の出典は、http://onthewaters.hatenablog.com/entry/introduction-of-the-schooner-Amiです。

5番目の写真はAmi号の8枚の帆の位置と名前です。
このAmi号を詳しくご紹介する理由は誰でも料金さえ支払えば乗って帆走体験が出来るからです。
もう少し詳しく書くと、Ami号は54フィートのトプスルスクーナーです。
静岡県、沼津市の静浦港をホームポートとしています。1990年に研修用の船として建造され、2006年から「帆船 Ami」として、体験航海などに使用されています。定員は、20名です。 全長:16.4mで、総トン数:10トンです。
体験帆走の申し込みは、http://www.schooner-ami.com/index.html へ申し込みます。
1回、6時間で6000円です。

さて白崎謙太郎さんの海洋冒険小説、「明治・海・2人ースクーナーとカヌー」の購入方法です。この本は非常に面白い本ですが一般の書店では売っていません。
本は2000円で他に送料がかかります。下記にメールで申し込むと買うことが出来ます。立派の装丁な198ページの本です。
shirasakikentaro@gmail.com
尚この本の面白いところは他にもいろいろあります。追って順にご紹介したいと思っています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)