後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

北朝鮮に対抗する日本とアメリカは運命共同体か?

2017年11月06日 | 日記・エッセイ・コラム
先日の11月3日に『北朝鮮沖に展開する3隊の米海軍空母打撃群の効果』という記事を掲載しました。その冒頭は次のようなものでした。
北朝鮮とアメリカの軍事衝突は次の3つの条件が満足されると始まる可能性が非常に大きくなります。
(1)アメリカの海軍や海兵隊が北朝鮮沖に集結する。
(2)中国が確実に中立を守るという確約をアメリカにする。
(3)北朝鮮が沖に展開するアメリカ軍へ対して武力攻撃をする。
以上の3つの条件のうち最近になって(1)と(2)の可能性を暗示するニュースがありました。
一つは3つものアメリカの空母打撃群が日本海に展開していることです。
二つ目はアメリカの航空母艦が中国の香港に3年ぶりに寄港した事実です。
今日はこの2つの重大ニュースをご紹介した上で、(3)についての推論を書きます。・・・以下省略。

さて今日はトランプ大統領とイバンカ補佐官の日本訪問について、上記の11月3日掲載の記事の続編として書いてみたいと思います。
今回のトランプ大統領とイバンカ補佐官の日本訪問の目的は北朝鮮の脅威に対して、最後の手段の軍事行動においても日米が強固に団結して戦うという準備をすることです。そしてもう一つの目的はアメリカの農産物や軍備を日本がもっと輸入するように要請することです。
この2つの目的は密接に関係していて別個の問題ではありません。
トランプ大統領は、安倍総理が大統領当選後すぐに彼の自宅を訪問して祝意を表したことを恩に思っていると今回表明しました。そして2晩3日の日本滞在の間に安倍総理と10時間近く一緒に行動したのです。両者の親密ぶりは従来のアメリカ大統領に比較しても一番親密だと言っても過言ではありません。過去には中曽根総理とレーガン大統領そして小泉総理とブッシュ大統領も仲良かったのですが、それ以上親密な様子です。
そして今回トランプ大統領は拉致被害者の家族を迎賓館によび入れ面会し親しく言葉を交わしたのです。
前のオバマ大統領は広島の原爆慰霊碑に詣りました。そして今回はアメリカの大統領が拉致被害者の家族の訴えに耳を傾けたのです。
北朝鮮の脅威に対して日米が強固に団結して戦うというメッセージを北朝鮮へ送ったのです。
冒頭にか書いた3隊の米海軍空母打撃群は日本の防衛にも直接的に役に立っているのです。
このようなトランプ大統領の積極的な政策と実行力を見ると北朝鮮に対抗する日本とアメリカは運命共同体のような存在になっていると感じざるを得ません。特に日本独自で出来ることはほとんど無いので、ただ座してこの運命を受け入れる他は無いような気分になります。

さて今回のトランプ大統領の特別な行動は、来日の第一歩として横田米空軍基地に降り立った事実です。これは歴代のアメリカ大統領が羽田空港を使ってきたことに比較して大変特別なことです。
横田空軍基地に着くやいなや米軍の将兵を集めて彼等の苦労に感謝し鼓舞する演説をしたのです。集まった人数が多いので米空軍の厚木基地や三沢基地や岩国基地からも幹部将兵を集めたのかも知れません。これもトランプ大統領の断固とした軍事的選択肢の決意の表れなのでしょう。もっともオバマ大統領も岩国空軍基地でアメリカの将兵を集めて演説しましから、これは単なる恒例の行事とも思われます。

さて今日はトランプ大統領は韓国に行きます。
韓国でも拉致被害者の家族に会うのでしょうか。そして北朝鮮の脅威に対して、最後の手段の軍事行動においても韓米が強固に団結して戦うという確約をとるのでしょう。
その後は中国に行きます。
中国との貿易問題も重要な話題ですが、冒頭に書いたように中国が確実に中立を守り北朝鮮へ軍事支援をしないことを交渉すると思います。勿論、中国が北朝鮮を経済的に圧迫することも要請します。代わりにアメリカは中国の南沙諸島の軍事基地に対して譲歩的な態度を示すでしょう。勿論、南シナ海、そしてインド洋の船舶の安全航行は中国も保証するように交渉するでしょう。
その後のベトナムとフィリピンの訪問では、南シナ海でのこれ以上の中国との紛争はひかえるように説得するでしょう。そして北朝鮮に対するアメリカの経済圧迫政策に協力するように頼むはずです。

以上のように考えると今回のトランプ大統領の日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンの訪問はこの地域の平和に直結した非常に重要な行動だと考えられます。
トランプ大統領はその差別主義的言動や露骨なアメリカ第一主義のせいでアメリカのマスコミの評判が悪いのも事実です。アメリカの理想主義者に嫌われてもいます。私自身もあまり好きではありません。
しかし彼の現実的な考え方がアジアの平和に大きく貢献するかも知れません。全ては歴史が証明するでしょう。

今日の挿絵代わりの写真は清瀬市金山緑地の昨日の黄葉の風景です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)