後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

オリンピックによる国威発揚と報道の偏向ぶり

2016年08月08日 | 日記・エッセイ・コラム
オリンピックの開幕早々、日本は数々のメダルを取っています。
私は愛国者なので、日本が全種目で金メダルを取って貰いたいと祈っています。
しかしテレビのNHKの報道には、次の二つの大問題を感じています。
(1)メダルを取った日本選手の映像をテレビに流すと、メダルを取っていない他の種目の様子が分からなくなる。従って日本選手の全体的な弱点が客観的に分からなくなるのです。
(2)スポーツそのものの愛好家にとっては外国の選手の活躍ぶりや、タイムや評点などを公平に報道して貰いたい。

上の2点は、国際社会における日本人の客観的視点の欠落を明快に示しているようです。
これは日本の国民民性の弱点なので仕方が無いのかも知れません。

オリンピックで国威発揚をすることに私は異論がありません。当然です。
しかし報道の偏向ぶりが大問題なのです。
外国選手の活躍ぶりを一切報道しないNHKは、日本人を自画自賛する国民に育て上げているのです。
古い話で恐縮ですが、第二次大戦の真珠湾攻撃とそれ以後の敗けぶりは日米の戦力の差を客観的に考えなかった結果であることは明白な事実です。
NHKの報道ぶりを見ていると、この日本の国民性の弱点を感じて暗い気持ちになります。
そして日本がメダルを取りにくいヨット競技や馬術などの報道がほとんどありません。こういう種目を強化すれば日本はもっと簡単にメダルが取れるはずです。

さてスポーツ愛好家にとってもNHKの報道は非常に不満と思います。
水泳でも陸上でもタイムを競う競技種目では予選から決勝までのタイムが一番重要なのです。
日本選手の活躍も重要ですが、金を取った外国選手のタイムとプレイぶりをゆっくり見たいのです。それがスポーツ愛好家というものです。ところが日本選手のプレイを長々と見せて、金を取った外国選手の映像は全然無いのです。
外国選手の映像は短くても良いから必ずその映像と記録は報道すべきではないでしょうか?

オリンピックのNHKの報道ぶりを見ていると、日本では江戸時代まで「スポーツ」という文化が皆無だったことを思い出します。
剣術は剣道であり、柔道も武道の一種で全て修行するものだったのです。戦いに勝つための技であったのです。

さて私は薬物を用いてまでメダルを取ろうとするプーチンさんの気持ちは分かります。勝てば国威発揚で自分の政権が一層強化されるのです。しかしそれはスポーツの精神に違反する重大なルール違反です。出場停止になるのは当然です。

国威発揚と言えば、私は戦後荒廃しつくした日本が1952年のヘルシンキオリンピックへ初めて参加したことが忘れられません。ラジオに噛り付いて、雑音の多い海外からの放送を聞いたことを思い出します。フジヤマの飛魚 古橋広之進選手はピークを過ぎていたので8着になり、とても残念でした。
その折の日本選手団メダル獲得者は以下の通りです。
金メダル:
石井庄八(レスリングフリースタイルバンタム級)

銀メダル:
鈴木弘(競泳100m自由形)
橋爪四郎(競泳1500m自由形)
鈴木弘・浜口喜博・後藤暢・谷川禎次郎(競泳800mリレー)
北野祐秀(レスリングフリースタイルフライ級)
上迫忠夫(体操競技徒手)
竹本正男(体操競技跳馬)

銅メダル:
上迫忠夫・小野喬(体操競技跳馬)

あれから茫々64年です。今回も日本選手がんばれ!と毎日叫んでいます。

今日の挿し絵代わりの写真は一昨日、都立薬草植物園で撮ったニチニチソウの写真2枚と、順にミソハギ、ハブソウ、フジマメの花々の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)