毎年10月末になると、都立小金井公園のプラタナスとユリノキの巨大な樹木を見に行きます。その頃は黄葉しはじめて何とも言えない美しい姿になるのです。
単に美しいだけでなく神々しさも感じます。
この樹木たちに魅せられて五十年余、毎年、毎年、今頃になると木の下に来て見上げます。
しばらく眺めていると新宿御苑のプラタナスとユリノキの巨木を思い出します。
そして札幌の北大の植物園にあるハルニレの巨木を想います。
原始の昔、人間はこのような巨木に神が宿ると崇拝していた気持ちが判るのです。
今年も例年のように昨日、小金井公園のプラタナスとユリノキをしばし眺め下に示すような写真を撮ってきました。

遠方から見るとプラタナスとユリノキ(袢纏木)は判然と区別出来ません。幹が緑っぽくすべすべしていて、落葉すると鈴のような実が沢山垂れ下がるのがプラタナス(鈴懸け)と簡単に分かります。

これはユリノキですね。幹がプラタナスのようまだら模様になっていないくてざらざらしているので判るのです。
そして葉の形から分かるのです。

私は40年ほど前にカトリックの洗礼を受けました。それ以来毎週ミサに行っています。
しかし美しい巨木や碧く輝く山々を見るとその中に神様が住んでいると感じます。
この感じ方を大切にしています。美しい日本人の心を大切にしたいからです。
そして美しい日本人の心の底にあるお釈迦さまの教えや神社への想いを大切にしています。
特にお釈迦さまの教えの色即是空、空即是色という言葉を大切に思っています。
大切というより信じたいのです。
ありていに言えば私のキリスト教は原始宗教と仏教と神道の混淆したものです。
これが日本人として至極自然なキリスト教への接し方だと思います。
よく識者はそれは間違った信仰だと言います。そうかも知れません。反論はしません。
昔アメリカ人にこの話をしました。思慮深い彼は黙って聞いています。目を遠くを見ているようにしています。そして深い息をしただけです。
欧米人も原始宗教を大切にしているのでしょう。ドイツでは新築のとき棟上げをし、モミの木をその棟の上に飾っていました。星占いも何か北斗七星を敬う妙見信仰のようです。
昨日はそんなことを考えて小金井公園のプラタナスとユリノキを拝んできました。
走ることが好きな老妻がプラタナスとユリノキの下を無心に走り回っていました。
プラタナスとユリノキの違いは末尾の参考資料にあります。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料=============
(1)
プラタナス(スズカケノキ、鈴掛の木、)は、スズカケノキ科スズカケノキ属の落葉広葉樹。果実が楽器の鈴に似ていることからこの和名がついた。
属の学名であるプラタナスと呼ばれることが多いが、日本で見かけるプラタナスは、本種よりもモミジバスズカケノキ。
原産地はヨーロッパ南東部~アジア西部で、日本への導入は明治年間とされる。樹高は約10〜30 mに達する。樹皮が、斑に剥げる特徴を持つ。
葉は大きく、カエデに似ていて、掌状に5~7裂し、裂片には鋸歯がある。葉柄の基部に小さい托葉がある。
花期は春で、花は淡黄緑色で、雌花、雄花を、別々の葉のつけ根の頭状花序につける。
果実は、晩秋、長い柄の先に痩果が多数集まった3.5cmほどの球形果を、1本の果軸に3~4個連なって下垂する。
(2)
ユリノキ(百合の木、学名: Liriodendron tulipifera[1])は、モクレン科ユリノキ属の落葉高木である。
種小名 tulipifera は「チューリップ(のような花)をつける」の意。
北アメリカ中部原産。
日本へは明治時代初期に渡来した。東京国立博物館本館前庭の巨木に添えられた銘板に、次のように記されている。
別名にハンテンボク(半纏木; 葉の形が半纏に似ることから)、レンゲボク(蓮華木; 花が蓮の花を思わせることから)、チューリップツリー(同じく花がチューリップを思わせることから。種小名と同じ発想)などとも呼ぶ。
花期は5~6月頃。鐘形で、枝先に直径6cmくらいで
チューリップに似た形の、付け根近くにオレンジ色の斑紋のある淡い黄緑色の花を咲かせるが、高く茂った葉の間に咲いていて目立たない。