令和4年9月22日(木)
鳥 兜 : とりかぶと
今日9月22日は「社日」(しゃにち)、雑節の一つ。
秋分(亦は春分)に最も近い戊(つちのえ)の日を社日という。
春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその収穫に感謝
をする日である。 各地で収穫祭などが行われる。
鳥兜は、中国原産のキンポウゲ科トリカブト属の総称。
日本には約30種類が自生している多年草である。
山中などの沢に近い湿気の多い場所に自生する。
名前の由来は、鶏冠(トサカ、鶏の頭部にある肉質冠状の突起)
に似て、烏帽子、鳥兜等という名がついた。
トリカブトの塊根を乾燥させたものは漢方薬として用いられる。
球根の周りに付いている「附子」(ふす)という部分は非常に
致死性の高い強力な毒を持っている。
全草にも毒性のある「アコニチン」という物質を含み採取時期
や、全草の部分により毒性の違いがある。
トリカブトを食べると嘔吐、呼吸困難などを起こし、時に心肺
停止により死に至ることもあると云われる。
俗に言う「ブス」という言葉があるが、これはトリカブトの中
毒で神経障害が起き、顔の表情が変形し不美人になる事に対し
「ブス」という様になったという説がある。
トリカブトによく似た葉にヨモギがある。
ヨモギは葉の裏が白く、良い香りがする。
トリカブトの葉は艶が在るが、香りはない。
今朝の中日新聞に、岐阜県高山市に在る「中部電力技術研究所」
の敷地内の一角に、薄紫色の「キヨミトリカブト」が咲いて居
たと、その画像が載っていた。
「キヨミトリカブト」は観賞用等で乱獲され「県絶滅危惧Ⅱ類」
に分類された。同所内では種の保存のため「種を採取し育てて
種を移植する方法で60株が育った。 今年その内の30株に
開花が在った。」との事である。
此処は福島原発事故以降、東京電力の「電力不足」」を補うた
めに、東西の電力会社の周波数(東50ヘルツ、西60ヘルツ)
の周波数を変換し、電力を互いに送り合う為の「電力変換所)
として、中部電力(名古屋市)が設置した設備である。
鳥兜は猛毒のイメージが強く、触れてはならない植物と思い
中々目にする事も無かったが、、、ロマンの在る話である。
今日の1句
美しき天女か魔女か鳥兜 ヤギ爺