ケバちゃんと一緒にやってきた三人組の一人セリアは、翌夏、再来日。京都のビストロでアルバイトを見つけ、アパートをシェアし、二ヶ月くらい滞在するという。
「また会いたい」と言い、うちにくることになった。
その前に彼女の働く姿も見ておこうと、京都のビストロを訪問した。
日本語もできる彼女は可愛がってもらっているようで、ギャルソン風の制服もなかなか似合っていた。
フランスのビストロのようなお店で、おなじみのステーク・フリットをいただいたが、安くてとても美味しかった。
その数週間後、彼女はやってきた。
ルームシェアをしている友人を二人連れ、三人でやってきた。
詳しい金額は忘れたが、京都、平安神宮のそばの古いアパートでルームシェアをしているとのこと、一か月で三万円くらいだったのではないだろうか。とにかく「よくそんな安いところを見つけたね」と、感心したのを覚えている。
高校生のBちゃんは、おとなしくはにかみやさんだ。もう一人は元気のいい女の子ハーちゃんで最初アジアの子かと思ったのだが、マダガスカルの出身と言っていた。
なかなか聡明なお嬢さんだった。
おとなしいBちゃんはお酒も飲まない。セリアは生ものが苦手なので、冷しゃぶにした。マダガスカルの子は何でも食べる。
三人も女の子が来たのは初めてだったが、にぎやかだ。ちなみに寝るときは、ほぼ雑魚寝状態だった!!
甘いものは三人とも好きで、かぼちゃのプリンを作ったらとても気に入ってくれたらしい。
フランスにもかぼちゃはあるが、日本のように甘味がなく水っぽい。だからスープにしてもプリンしてもいつも好評だ。
セリアは大福も大好物で、よくコンビニで買うとケバちゃんが笑っていた。生魚はだめだが、みりん干しが好きとのことだ。
マダガスカルの子の名前は、一度聞いてもなかなか覚えられない。
習字の時に、漢字で名前を書くことになって、○○トラというので、いっそ虎にしようかと思ったが、可愛い彼女にそれはちょっと可哀想で違うのを考えた。
彼女はK大の留学生だと言っていた。
夕食を食べた後、最近の奈良の夏の風物詩、燈花会へ行った。
夜でもとても暑い。県庁も屋上に上れ、会議室など見学もできて、いいスポットである。コンサートなども行われているし、最近はカフェなんかもあるそうだ。
翌日は東大寺と吉城園(外国人はパスポート提示で無料)へ行った。
柱くぐりは写真の通り、小柄な二人は難なくスルー、ちょっと太っちょのBちゃんは恥ずかしそうに首を振った。
早めの夕食にカレーを作ったら、これも三人とも完全食で、またそれぞれアルバイトのため、帰って行った。
このセリアに続き、前年の三人組、ケバちゃんも、男の子もこの年にやってくるのだが、セリアは震災の後の夏に、美しい妹さんとお母さんとともに来日するほど日本が好きである。