フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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ザ・ロンゲスト・デイ

2011年11月01日 | ブルターニュ

忙しい一日の後半である。しかし衝撃的事件が待っているとは露知らず・・・。

 

ブルゴーニュから帰ってきてパリの友人宅で一息つくと、さあ今日中にブルターニュのレンヌに到着すべく出発である。

タクシーでモン・パルナス駅につき、列車に乗り込めばそれでレンヌへ運んでくれるわけではあるが、今日一日でパリを挟んで東から西へ大移動である。

 

                 

 

レンヌに着けば、2年前に日本に来て仲良しになったムッシュとマダムが迎えに来てくれているわけで何の心配もないが、夜遅くに着くのは申し訳ないなと思っていた。

 

やがて列車はレンヌに到着し、すぐにムッシュが目に入った。一人だった。

やはり夜遅いからマダムは家で待機しているのだと思った。

そして車に乗せてもらい、彼等の家に向かった。

 

彼等は1年ほど前に新しいアパルトマンに転居していた。日本食が好きで鉄板焼きもできる台所などの写真も送ってきていた。

二年前、前のアパルトマンへの滞在も申し出てくれたが、モン・サン・ミシェルの夕日が見たいからと断って、案内のみお願いしたので、今回は念願の彼らの家、それも新居に滞在するというので、楽しみにしていた。

 

しかし、しかしである。ムッシュは車に乗ってから爆弾発言をした。

「実は悲しい知らせがある。」・・・「えっつ?何??」

「今朝彼女は家を出て行った・・・・」・・・「えっつ!!!・・・」

 

二か月前には仲良くスキーをしている写真を送ってきていたので、言葉が出なかった。

聞けばその後、彼等の関係は、急速に悪化していたようだ。

はっきりした原因は今も判らない。

しかし、今朝出て行ったとはびっくりだ。考えるに私が訪問するのをきっかけに、出て行ったようだ。マダムとしては関係がおかしくなっているのに、取り繕って歓迎など出来ないわけだ。自分に正直だと言える。

 

しかし、選りに選って大変な時に来てしまったものだ。申し訳ない気持ちになる。だがもう帰れない。

二人が可愛がっていた犬「ベップ」はマダムが連れて行かず、家に残っていた。二人が日本旅行をした時、別府温泉に泊まり気に入ったから、犬に「ベップ(別府)」と名付けたのだ。 

心なしか、このベップもしょんぼりしているように見えた。

 

                 

 

落ち着いた街の、ベランダから区役所がすぐそこに見える素晴らしいマンションなのに、いるはずの人が一人いないのである。

 

                 

 

もう慰める言葉がない。とにかく今夜は遅い。眠るしか仕方がない。

 

私は彼等の寝室であったであろう部屋、新しく清潔なホテルのように大きなバスタブや洗面所がすぐ横にあり、壁には日本の思い出の品が飾られているその部屋で、複雑な思いのまま、眠りについた。

 

                 

 

                 

 

                 

 

                 

 

しかし長い一日だった。

 

どんな滞在になるのだろうか、この時は知る由もなかった。

 

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