花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆9月21日 映画「学生心中」を見た

2020年09月21日 | この映画見ました
花椿です。

スカパーで今月オンエアの「学生心中」(日活、1954年)を見た。

前にこのブログで書いた「かくて夢あり」が日活の映画製作再開の第1回作品になるが、

「学生心中」は現代劇として2番目の作品になるらしい。 


個人的に主演の木村功はともかく、ヒロイン役の宮城野由美子が「かくて夢あり」の項

でも書いたように、いまいち華がないのは承知の上。 もっと言えば華のない宮城野が

今度の映画でもどんなに華がないか確かめたいという『怖いもの見たさ』もあったし、

純愛メロ映画一筋の俺にとって、この作品は絶対に見なければいけない使命感も感じる

ところだ。


で、見た結果はやっぱりヒロインがダメの一言に尽きる。 ストーリーはまあまあ面白

い方で決してダメ作品とは思わないが、ヒロインに華がないと感情移入がしずらい。

仮にヒロインを演じた女優が安西郷子や河内桃子だったら、俺の印象はずいぶん違った

はずである。


ストーリーを簡単に書けば、両親を失った木村功が叔父の家で育てられるが、大学生の

時に同じ大学の女学生である宮城野由美子と恋仲になる。 宮城野は下宿先のドラ息子

(金子信雄)から横恋慕されていて、ついに金子はその屈折した心情から木村の頭を殴

打する。


木村はそれが原因で目が見えなくなり、しかも宮城野が親が借金をした相手と望まぬ結

婚を約束したと知り、自らは死ぬつもりで宮城野と知り合った冬の山小屋へこもる。 

宮城野はそれを知って後を追い、ついに山小屋で抱擁するがやがて大雪の中で二人とも

倒れるという話。 サブストーリーとしては木村と同居する叔父の娘が木村を好いてい

て宮城野とライバル関係になるってのがあった。


悲恋物が大好きな俺の立場では凄く感動的なストーリーなんだが、やっぱり華のないヒ

ロインがダメだな。 全体の印象としては親が借金した相手から娘を嫁に要求され断り

切れずに望まぬ結婚を考えるとか、みんな苦しい生活に喘いでいるとか、今じゃ考えら

れない古色蒼然としたストーリー展開じゃあるけど、まあそれは昭和29年という時代

背景から仕方がないところ。 


それと特筆すべきは悪役の金子信雄の名演技が光っていた。 この人はほんと悪い奴を

演じるのが上手だな。 


俺の評価はランクA(かなり面白い)やけど、ヒロインにもっと華があったらランクAA

(ウルトラ級に面白い大傑作!)でも良いと思う。 1954年(昭和29年)の日活

作品。 モノクロ、スタンダードだね。 主題歌と挿入歌は宝塚出身の宮城野由美子が

歌っている。


■写真上

「学生心中」のパンフ。

■写真2番目

木村功と宮城野由美子。

■写真3番目

ラストの山小屋の場面で木村功と宮城野由美子。

■写真下

宮城野由美子。 華はないが長身でスタイルは良い。 宝塚の男役だったのか?


じゃ、またね。

2020年9月21日、18時45分記。
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