花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆12月24日 映画「哀愁の街に霧が降る」を見た

2019年12月24日 | この映画見ました

花椿です。

昨日、映画「哀愁の街に霧が降る」を見た。 この前の日にブログで書いたば

かりの「朝霧」を見ているが、今度の映画は「朝霧」のちょうど1年後に東宝

が制作した作品だ。 もちろん山田真二と青山京子の青春コンビが主演である。


視聴を始めて1時間はこれでもか、これでもかと正統派メロドラマの直球を浴

びて人の善意と純粋な人間愛に感動しまくりの俺だったのが、終わり近くにな

ってガラッと様相が変化、火曜サスペンス劇場のような展開になったのには驚

いた。 ラストシーンではハンマーで頭をぶん殴られた気分にされた。


ストーリーを簡単に書けば、女子大生の青山京子が病弱な姉と2人で同居して

いて生活費を稼ぐ目的で似顔絵を描くアルバイトをしている。 たまたま酒場

に来ていた学生の山田真二と知り合って交際が始まったのであるが、ストーカ

ーの男(徳大寺伸)がいて青山を困らせていた。


ある日、徳大寺が二人の交際を妨害する目的で偽の手紙を青山に書いたため、

すっかり手紙を信じた青山は山田の元を離れた。 山田は必死の思いで青山を

探し出して、ようやく誤解が解けたのもつかの間、二人の家に訪ねて来た徳大

寺ともみ合いになり誤って徳大寺を刺し殺してしまったのだ。


山田を育てた伯父は世間体を気にして逃げるように勧めるが、結局、山田は

自首する道を選択する。 最後は青山と二人で警察署へ行くところで終わった。


なんかちょっと腰を折られた気分になった。 徳大寺伸を間違って刺したとこ

ろまでは、まあ、いい。 そのあとがダメ。 叔父を演じる小沢栄が「俺はこ

れから部長になるんだぞ!」と言って半狂乱になってスキャンダル発覚を恐れ

るシーン。 これが延々と続くが全く不要。 


ラストシーンで山田と青山が二人で警察署へ歩いて行く途中、急に大ヒットし

た映画の主題歌「哀愁の街に霧が降る」を二人で歌う場面があるが、自首では

なくてまるでピクニックへ行くような感じで、これにも水を差されたね。

(曲はともかく)


思うに恋人を救うために誤って人を殺すというのはメロドラマの古典的名作「

滝の白糸」やこのブログでも書いた「思い出月夜」なんかがあるが、ラストシ

ーンはもっと上手に処理してあったはず。 それと比較してシナリオが雑だね、

この映画は。 


あるいは最初から山田・青山が主演するメロ風のサスペンスドラマにしたつも

りかも知れないが、何にしても失敗作だ。 ただし初めの1時間は楽しませて

貰ったので俺の評価はランクA(水準作よりは上の出来)である。 この部分

に限っては捨てがたい味わいがあったのは確か。


1956年(昭和31年)10月封切。 東宝制作のモノクロ映画。 75分。

山田真二が歌う主題歌「哀愁の街に霧が降る」が大ヒットした(らしい)。


写真1.

山田真二。 

写真2.

山田真二と青山京子。

写真3.

山田真二と青山京子。 ラストに近いシーン。

なお、写真はモノクロをカラーライズしてあります。


じゃ、またね。

2019年12月24日、21時55分記。
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