花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆7月6日 映画「花の慕情」を見た

2020年07月05日 | この映画見ました

花椿です。

先日、ついに「花の慕情」を見た。 「ついに・・・」と書いたのは今までに必死で

収集した旧作日本映画作品(昭和40年代まで)が2300本近くなって、俺が見たい

と思う作品の8割以上は手元にあるが、まだ「これだけは死んでも絶対見たい!」と思

う未見の作品が30本くらい残っていた。 その中の一本が「花の慕情」なのよ。


で、ある親切なコレクターから入手したその日に盛り上がる気持ちを抑えながら見たけ

ど、その期待はやや裏切られた。 個人的には宝田明と司葉子の全盛期の作品だし、同

じコンビが主演した「美貌の都」とか「愛情の都」は水準作以上の出来映えで、まあ、

良かった。 


それなら「愛情の都」と同じく昭和33年に封切の「花の慕情」も感動するに違いない、

当時の映画ファン誌の紹介記事も悪くないし・・・と勝手に思い込んだ俺の大失敗だ。

駄作とまでは言わないが、盛り上がりに欠ける。 あまり感動もなかった。


そもそもお花の家元の司葉子が歯科医の宝田明との恋に生きるか、それとも別れて家元

として生きて行くか悩むという、ただそれだけの話。 美貌のヒロイン司葉子がそんな

に不幸のどん底へ落ちるわけじゃなし、横恋慕する千秋実のキャラもいまいち。


家元の座を狙う平田昭彦の妨害行為によって花の道をあきらめて、箱根だったか、伊豆

だったかの旅館にこもって部屋の花を生けたら、たまたま旅館を訪問した華道界の大物

に非凡な才能を見込まれて再び花の世界で生きて行くよう勧められるわけ。


で、最後は司葉子が踏まれても倒れても花の世界で頑張ろうと決心して山道を下ってい

たら、そこへ宝田明が現れるところで映画は終わった。 凡作と表現するしかないね、

これじゃあ。 ガッカリじゃん。

(せめてラストは司葉子と宝田明が抱き合うシーンにしたらどうなのよ?)


しかし全部ダメというわけじゃない。 司葉子の美貌は光っていたし、最初から最後ま

で着物で登場だった。 雑誌の紹介記事では豪華な着物が15着も出たらしいが、俺の

ような着物フェチには見ごたえがあった。 


宝田明はいつもの宝田明(のキャラ)で登場であるけど、これも悪くない。 こっちは

宝田明のキャラが好きで見てるのだから。 あえて言えば横恋慕の千秋実がもっともっ

と司葉子をいじめて不幸のどん底へ突き落すとかの展開があれば面白かったと思う。


メロ映画の苦手な監督だったのかも知れない。 ついでに書くと、コロムビアローズの

主題歌も全然良くなかった。


俺の評価はランクC(凡作)だね。 1958年(昭和33年)8月封切。 東宝の総

天然色作品だ。 上に出した写真はすべて宝田明と司葉子です。


じゃ、またね。

2020年7月6日、午前1時20分記。
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