子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「127時間」:覚醒する男を描いてきたダニー・ボイルの真骨頂

2011年06月23日 22時32分09秒 | 映画(新作レヴュー)
右腕を岩に挟まれて身動きが取れなくなった男の5日と7時間を,90分間のドラマにする。一見,ロベール・ブレッソンの「抵抗」を思い起こさせるような試みだが,これまでダニー・ボイルが培ってきた練達の作劇術によって,ほとんど動か(け)ない被写体が,真の生命力を得てリズミカルに躍動するまでのドラマは想像以上にドラマティックだった。 冒頭,スプリット・スクリーンに映し出される群衆の映像。続いて描写される,主 . . . 本文を読む