「パンジーとトパーズのネックレス」-麗美(Reimy)
作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆
1985年
こんな女の子は今の日本ではもう絶滅しました・・・
♪(私は)パンジー 私のビロードの裾を
♪(貴方は私を)そっと揺らして 帰らないそよ風♪
♪(私は)パンジー 私は咲くきたてのハート
そっと揺らして 笑うつもりだった・・・♪
内気で控えめでおしとやかで清楚で、自分の気持ちを表に出せない少女。深窓の令嬢?若草物語で言えばベスのような、でもちょっと赤毛のアンのようでもあり・・・?そんな可憐な少女は、元気で自己主張ばかり尊重される現代の日本ではもう絶滅いや少なくとも絶滅危惧種となってしまいましたね(^^;。肌の露出度やスカートの短さばかりが大事になってしまった今の日本の女の子。アメリカによる日本の戦後教育戦略がこのような形で結実することを70年代辺りから薄々想像(危惧)しておりましたが、やはりここまできたかという気持ちです・・・。
・・・といろいろ書きましたが、実はこんな女の子は昔からどこにもいなかったような気もします(<おいおい(^^;)。詞は一応ユーミンが書いていますが、でもこの女性像はプロデューサーである正隆氏の描く理想の少女・女性像を反映したもののような気がいたします。つまり男性にとっての「永遠の少女」像でしょうか?それをReimyに投影したかったんだと思います。内気で清楚な深窓のお嬢様。いるわけないってかっ・・・?(笑)
Reimyは沖縄出身。南沙織さんと同じく、フィリピン系のハーフでした。お姉さんは堀川まゆみさんでしたね。このアルバムは作詞and/or作曲でユーミンが関わった作品のコンピでもあります。さすが良い曲が揃ってます。旦那のアレンジもある意味一番冴えていた時期のような気もします。ゴージャスだったり、リズムアレンジがとても凝っていたりして、今聴いても素晴らしいです。
実は私は一度彼女のライブを見たことがあります。今は無き新宿の日清パワーステーションだったと思います。そのときのReimyはステージに慣れていないようで、正直ちょっと痛々しいほどぎごちなかったです・・・。見ている方がハラハラしてしまうほどでした。そのとき、この子はショーBiz界には向いていないと確信したものでした。そんな彼女の本質は、実はこの曲が示していたように思っています。
今は映画音楽関連でご活躍されているReimyさん。やはり裏方の方が一番幸せなのかもしれません。「ユーミンの妹分」という永遠の呪縛を解き放ち、これからのますます独自のご活躍をお祈り致します。
麗美ゴールデン☆ベスト-REIMY BRAND COMPLETE- 松任谷由実,田口俊,松任谷正隆,村岡健 コロムビアミュージックエンタテインメント このアイテムの詳細を見る |
「PANSY(紙ジャケット仕様)」 このアイテムの詳細を見る |