渡辺哲也(一級建築士・絵画作家)「多彩画の世界」また日常のささいな事などを綴っています

当ホームページのTOPへは下のBOOKMARK「渡辺建築事務所HP」からお入り下さいませ。

Pencil drawing(鉛筆画)[ Energy ]

2021年07月26日 14時47分46秒 | 「多彩画」(絵画)など

Pencil drawing(鉛筆画)[ Energy ]
木パネルにアクリルジェッソ研ぎ下地の上、鉛筆ドローイングにアクリルニス仕上げ。
F50号(1167×910mm)の作品です。

今回の狙いとConcept!
今回の作品は、鉛筆と言う古くからある描画材と歴史的に言えば比較的新画材とも言えるアクリルのジェッソを使い、更に半鏡面にまで水研ぎ仕上げをした支持材を作り作成した事です。
ケント紙よりもより白く、表面も更にツルツルの下地に拘ったからです。
その下地の支持材、そして描画後にはアクリル系ニスを仕上げ材に使う事によるマッチングとハーモニーの挑戦です。
題材は、物体が液体に落ちた時に発生した「ENERGY」の瞬間を表現してみました。
又パネル小口まで見せる事によりその広がりやエネルギーの強さを演出しそして視覚的効果なども試みた作品です。

額装は、原画をどう見せるかが「要」となる為、アクリル板等のレイヤを被せず、浮彫イメージの仮縁を使用しそのままの原画を見せる事にしました。

この構図、どこかで見覚えがあると思われた方もいる事でしょう。
そうです、素彩画ウィスキー絵の具で描いた作品(A3サイズ)と同じ構図のリメイクです。
A3サイズと今回のF50号(1167×910mm)とでは描き込み密度が大きく違ってきます。
飛沫や泡などは1.5倍ほど増やして再構成しております。

使用した鉛筆で一番多く使ったのが10Bで2本あまり、部屋中に鉛筆粉が落ちていました。
台は、私が持っている安価なイーゼルでは描きにくいので、B0版製図台にブックエンドなどでステーを付けた台です。
製図台なので、垂直~水平まで、そして高さ調整もできるのでとても描きやすいです!
プロセスの画像で、文鎮の付いた腕鎮の短冊がありますが、今回用に作った自作(笑)腕鎮です。
絵の具を使う場合は棒状のものを使っていますが、鉛筆画なのでビニールシートの方が描きやすく文鎮を後ろに垂れ下げその重さで落ちないようにして描きました!

描画材をいろいろと変えて描くのも楽しいですが、同じ描画材でも新たな描法で作成する作品は構想から描き始めるまでがワクワクします。
実は、この裏舞台ではいろいろな試行錯誤をした結果の画像も全てデータとして残しております。
まず最初は10cm角のジェッソ塗りベニアを幾つか作ってのジェッソ水研ぎの番手検討です。
#1000以上で超鏡面にするか?#800で半鏡面にするか?#320で止めるか?など。
鉛筆の乗りや描きやすさなどもテストし、このレベルの細密度では#800(画像での艶反射参照)で十分かなと思い、これで決定!
#1000の超鏡面でもジェッソなので鉛筆は乗ります、いつかもっと細密画の時は挑戦してみたいと思います。
あと仕上げ材を何にするか?クリスタルバーニッシュ(液体)、ジェルバーニッシュ(ジェル状)、レジン。
この大きさだとレジンがまた何kgも必要で型枠やその後の研磨なども含め、途中断念。
クリスタルバーニッシュとジェルバーニッシュを10cm角のジェッソ塗り#800研ぎでテスト。
クリスタルバーニッシュは数回塗り、ジェルバーニッシュはそのままで垂れ流しと水で希釈したものを垂れ流し。
ジェルバーニッシュは少し曇った感じ、そのままだと流動性に疑問(実際の大きさで流せるかどうか)、水で希釈したものは流動性はあるがそれならクリスタルバーニッシュでいいと思う。
ジェルバーニッシュは乾燥後ひび割れもあり、今回はクリスタルバーニッシュの10回塗りにした次第です!
小作品の場合はいつもぶっつけ本番でやるのですが、大きな作品で後戻りが大変な場合はやっぱり時間がかかってもテストをした方が無難ですね、そしてテストがとにかく楽しいし(笑)!

















コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「手作りフード付きジャンパー」 | トップ | 「Energy」鉛筆画、制作工程... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

「多彩画」(絵画)など」カテゴリの最新記事