かつては甲子道路の突き当たりにあって、鄙びた感のあった大黒屋も現在では甲子トンネル開通後に改築して、3階建ての立派な建物になった。
それでも山の中の秘湯感を生かしているのか、シックな色の建物になっている。
今回は日帰りの利用だったので内風呂は入らずに大岩風呂のある川沿いのお風呂に入った。
そのお風呂は宿の裏を流れている阿武隈川沿いにある。
長い階段を降りて、川に掛かる細い橋を渡ったところに混浴の「大岩風呂」と女性専用の「櫻の湯」がある。
混浴の方は数人が入っていたので今回は遠慮した。
以前利用した時のことだが、浴室は全体に薄暗く、ランプの明かりがぼんやりとして、雰囲気がすごく良かった。
お湯は湯船の縁に置いてある鳥居のところにある岩の湯口から出ていて、足下からも湧いていた。
湯船の中には、なでると子宝に恵まれるという言い伝えのある「子宝石」が置いてあった。
といった風なお風呂だった。
宿から長い階段を降りると川に出るので、川を渡ったところに湯小屋がある。
女性専用の「櫻の湯」は檜のお風呂で、檜の香りがほんのりとして、気持ちの良いお風呂となっていた。
温泉は単純温泉で無色透明、ツルツルした感じはしたが、他にはこれといった特徴はなかった。
ただ、山の中の一軒家といった秘湯感のある場所なので、このような温泉が好きな人には良いかもしれない。