日本にはたくさんのダムがあり、その中に自然の石を積み上げて造られたロックフィルダムがある。
有名な黒部ダムの山を隔てたところにある高瀬ダムはこのロックフィルダムで、高さは黒部ダムに続く、日本で2位のダムとなっている。
以前、雑誌で日本最後の秘境「高瀬渓谷」と特集が組まれていて、高瀬ダムの奥には歩いてしか行けない「湯俣温泉」があるらしいので、いつかはチャレンジしてみようと思っていた。
ところが高瀬ダムから湯俣温泉までは約10km、3時間もかかるという。
ちょっと無理なようなので、せめて高瀬ダムまで行ってみようと思った。
ある年の秋、大町から高瀬川の上流を目指して走って行くと最初に現われたのが大町ダム、これはコンクリート製の巨大なダムだった。
見上げると目もくらむような高さで、107mあるらしい。
さらに進むと道路にはたくさんの猿が我が物顔で歩いていた。
猿に気をとられていたら前方に大きな岩山が見えてきた。
これがロックフィルダムで高瀬ダムの手前にある七倉ダム。
この七倉ダムは高さ125mで国内11位の高さだと言うので、高さ176mで2位の高瀬ダムがとてつもない大きさのダムだと想像できた。
七倉ダムから少し先には駐車場があり、ここからは車両進入禁止となっていた。
この先は許可されたタクシーか徒歩で行くしかなく、他にいた人と乗り合わせてダムまで行ってもらった。
タクシーは堤防の上まで行ってくれたので、降りてすぐにダムの全体とエメラルドグリーンの湖を見ることができた。
ありふれた感想だけど、よくこんなに大きな物を造ったものだと感心するしかなかった。
手前に見える石をたくさん積んでダムを造っている。