みどり荘は鹿児島県日置市の吹上温泉にある。
「湖畔の宿みどり荘」と言うように、緑に覆われた小さな池のほとりにあり、離れになっている全室から池を望めるようになっている。
水鳥の泳ぐこの池は宿の所有で、名前は「みどり池」、時々カワセミも見られるとか。
門は苔むした塀と瓦葺きになっていて、旅館とは思えないような造り、そこから入ると立派な藤棚があり、その脇の棟でチェックインをするようになっている。
チェックイン後、離れへと向かうとみどり池が目に入る。
宿全体が緑の中に包まれているような感じで、風情がある。
[玄関の門]
[みどり池]
深い緑に包まれた池で、遠くに見えるのが湯小屋。
温泉は自家源泉の掛け流しで露天風呂、内湯、貸切り風呂がある。
その温泉が素晴らしい。
自家源泉2本と市の源泉1本の合計3本あり、露天風呂は硫化水素単純アルカリ泉で無色透明だが、その日の気温や天気によって色が緑色に変化するようだ。
泊まった日は薄い緑色だった。
硫黄の匂いがし、アルカリ度が高いので(ph9.1)肌がつるつるになった。
内湯は温泉をブレンドしているため、黒と白の湯の花のにごり湯となっていて、少しとろっとした感があり、珍しい温泉だと思う。
[離れになった部屋]
すべての部屋がみどり池に面している。
食事は釜で炊いたご飯、郷土料理など丁寧に作られていて、美味しくいただいた。
天気が良ければ藤棚の下のテラス席で朝食を食べることもできる。
この宿は歴史があるため、歌人・斎藤 茂吉、作家・吉田 絃二郎といった文人が利用していたらしく、今でも執筆活動した部屋が残っていた。
また、露天風呂の近くにある観音堂は特攻前にこの宿で過ごした特攻隊員の慰霊のために建てたと言う。