映画とライフデザイン

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映画「罪の声」 小栗旬&星野源

2021-05-26 18:18:42 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「罪の声」は2020年公開


映画「罪の声」は公開の時にはあまり引き寄せられなかった作品である。DVDで見てみると割とおもしろい。グリコ森永事件を連想させるが、一連の食品毒物混入事件の中でもハウス食品への脅迫事件が近い存在である。事件の途中経過と80年代の時代背景をもとに作られたフィクションだ。当時の事情を丹念に調べながらできているのがよくわかる。原作は未読だが、おそらくは読み応えあるのではないか。

グリコ森永事件の時には自分は社会人になっていた。まだ、大阪には異動になっていないので、関西は怖いところだなあと思っているだけだった。ここでは、元警察官、ヤクザ、相場師、学生運動経験者などが揃って事件を企てている設定だ。確かにこれだけのスタッフがいないとできなかった脅迫事件なんだろう。登場人物は多いが、映像はわかりやすく事件をまとめている。

平成18年、大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は既に時効となっている未解決事件を追う特別企画班に選ばれた。事件の真相を追い取材を重ねる中で、犯人グループが脅迫テープに3人の子どもの声を吹き込んだことが阿久津の心に引っかかる。


一方、京都で亡くなった父から受け継いだテーラーを営み家族3人で幸せに暮らす曽根俊也(星野源)は、ある日父の遺品の中から古いカセットテープを見つける。何となく気に掛かり再生すると、聞こえてきたのは確かに幼い頃の自分の声であるが、それはあの未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声でもあった。

真相を知りたくなり、事件に絡んでいる叔父の歩んだ道を追いかけていく。調べていくと、俊也の他にも脅迫テープに声を使用された子どもがいることがわかる。そうやって調べていくうちに、まったく別方向で動いていた阿久津と曽根の距離が徐々に接近していく。そして出くわすのであるが。

⒈事件に関与する人たち
曽根(星野源)本人が叔父に頼まれて、子供の頃身代金受領のための道筋を録音するわけである。何でこんなことに巻き込まれたのか真相を追う。

ちょっと突っ込むと、小学校くらいで本人に記憶がなかったのかなあ?子供心に世間をあれほど騒がした事件なら気づくはずだと思うなあ。まあいいだろう。同じように録音した姉弟がいて、そちらはその後かなり悲惨な状況となっている。


取材をすると、ヤクザやら、株式相場関係者など様々な人物が絡む。実際のグリコ森永事件では身代金は奪えていない。でも毒チョコやハウス食品事件でいえば、毒シチューを入れたとして世間を恐怖に陥れるのだ。会社の評価が下がり業績も悪化すると、空売りで儲けようとしていたなんて話もある。でも、一定量以上空売りしておいて、買い戻しとなったら、いくらこの当時に架空名義の口座が多かったとはいえ、特定できるようにも思える。


そんな風にツッコミどころだらけだけど、おもしろい。しかし、例によってこの時代設定によく出てくるのが、学園紛争上がりのクズだ。まさしく主人公曽根のおじさんがその1人。もともと学生運動で日本をよくしようと高い志を持っていて、国家への復讐で事件を主導したなんていう今の日本を社会主義思想に誘導してダメにしている世代ならではのセリフである。

⒉星野源
星野源は京都で仕立て屋を営んでいて、ある日突然カセットの存在に気づくという素人なのに、たどたどしく事件関係者をまわって歩く。性格的にこの役柄には適役かも。

新垣結衣とくっつく話で今や日本中の男性諸氏からの羨望の眼差しをうけている。仕事に手がつかないだろうからとガッキー休暇としたIT会社もあるらしい。ただ、それでブーイングというわけでない。ひたすらいいなあと思うだけである。誰もが性的な欲望というより、あの新垣結衣にやさしくされて癒されたいという気持ちなんだろう。よくわかる。

正直いい年こいても自分もうらやましい。彼女かわいいからなあ。結婚しても別にいいけどね。

⒊キャスティングがすばらしい
小栗旬と星野源のダブル主演でそれぞれは普通で可もなく、小栗旬の上司役の孤独のグルメ松重豊、古舘寛治もそれなりの活躍。それよりも、事件の真相を追う人探しの中で、思わず懐かしくなる人たちが多数でてくる。佐藤蛾次郎やかしまし娘の庄司照枝を見ると思わず唸ってしまうし、柔道家として桜木健一はまさに昔の名前で出ていますという感じ。我々小学校時代には「柔道一直線」でクラス中のヒーローだった。


一体どこで出たっけと思うが、宮下順子の名前には背筋に電流が走る。反体制派としての宇崎竜童と梶芽衣子の使い方もうまかった。キャスティングについては絶妙としかいいようにない。

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