映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「崖上のスパイ」チャン・イーモア

2023-02-12 18:30:18 | 映画(アジア)
映画「崖上のスパイ」を映画館で観てきました。


「崖上のスパイ」は中国の巨匠チャンイーモアが1934年満州国統治時代のスパイ活動を題材にした新作である。2つのオリンピック開会式で演出をつとめたチャンイーモアは中国映画界では最高の監督であるのは誰もが認めること。日本の傀儡政権満州国の特務組織に対して、正体を隠しての潜入者も含めてスパイ活動を描いていく。

1934年ソ連で教育を受けた4人の共産党のスパイが満州国の大雪が降る山間部に降り立つ。2人の男女で二方向に分かれて行動するのを、内偵者によって満州国の特務警察はつかんでいた。泳がされながら移動するが、リーダー格が当局に捕まる中で寝返りした者たちも作戦に助言を与えてスパイ戦が続く。


いかにもチャンイーモア監督の映画らしく映像は美しい
騙しだまされて敵味方が交錯するのはスパイ映画にはありがちなパターンだ。ただ、それぞれの場面の理解がしづらい。あまり事前情報を得ずに映画を観るタイプなので、女性陣はわかっても男性陣の顔が同じように見えてしまう。深く雪が積もる山間部にパラシュートで降り立った後も、極寒のため服で顔が隠れている。登場人物がよくわからないままにストーリーが進む。それでも、列車の中での緊迫感のある場面など見どころは数多く用意する。

この映画をこれから観る人は作品情報で登場人物の顔を確認してから行くことを勧める。

映画ではずっと雪が降り続く。音楽も極寒の景色にあっていてムードを高める。ハルビンの街の撮影はセットなのであろうか?それともそのまま残っている古い建物の中で撮影されたのであろうか?戦前のクラシックカーでカーチェイスのシーンもある。こんなに車潰して大丈夫なんだろうか?と思ってしまう。


中国共産党の先人にはこういう人たちがいたという宣伝映画の様相も呈している。すこし興ざめしてしまう。サスペンス映画としては弱い気がする。

巨匠チャンイーモア監督の新作であると同時に、中国共産党を評価する映画なので映画予算はふんだんにあるのであろうか?気になったのは、満州国の特務警察の中に日本人がいなかったこと。さすがにトップは日本人だったんじゃなかろうか?


あとは、女性スパイの1人がいかにもチャンイーモア好みの女の子だったこと。コンリー、チャンツィイーの若き日を彷彿させる小蘭役のリウハオツンがかわいい。出演しているチャンイーモアの前作「ワンセカンド」はコロナ期で上映館が少なく観れていない。おそらく人気スターになるだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2022年キネマ旬報ベスト10を... | トップ | 映画「バビロン」 ブラッド... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(アジア)」カテゴリの最新記事