映画とライフデザイン

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駅馬車  ジョンウェイン

2010-10-25 04:51:40 | 映画(洋画 69年以前)
1939年制作「駅馬車」はジョンフォード監督による西部劇の古典的名作である。ジョンウェインとのゴールデンコンビのスタート作だ。あまりにも有名なテーマソングに乗せて軽快に駅馬車がスタートするが、途中アパッチの襲撃を受けて大混乱する構図である。インディアンとの抗争というのが西部劇の定番だった。現在では人種差別問題でこういう映画はつくれないので貴重な存在となりつつある。



1885年、アリゾナのトントからニューメキシコのローズバーグまでの路は、駅馬車で横切って2日を要した。軍隊にいる夫のもとへ行く身重の若い妻。妻子の許へ帰る途中のウィスキー行商。酔いどれの医者。紳士風のギャンブラー。もう1人の女性は娼婦だ。この一行を護衛するのは警察部長だ。アパッチ族の反乱があって連絡の電信が切断されている。次の駅まで騎兵隊が送って行くことになった。町はずれで、黒鞄を大事そうに抱えた銀行家が乗込んだが、電報が来たので急行するという彼の言葉に警察部長は疑いを抱いた。荒漠たる平原を進んでいる途中で馬車を止めたのはリンゴ・キッドことジョンウェインだった。彼の父と弟を殺した上、彼に濡衣を着せて投獄した3兄弟を討つため、ローズバーグへ向かう途中だった。警察部長は脱獄囚と承知しつつ、ジョンを駅馬車に乗せて同行せしめることにしたが。。。。

モニュメントバレーの景色は美しい。その中をテーマソングに乗せて軽快に駅馬車は進む。しかし、駅馬車の中はいわくつきの人間だらけであった。人間ドラマとして観ると趣きのある映画だ。これを模倣してつくられた人間ドラマがいかに多いことか!古今東西の映画のベンチマークであるこの作品を観ると、あとの脚本が陳腐に見えてくるのは自分だけであろうか。



ともかく、この映画のクライマックスは、アパッチ軍団と駅馬車の並走である。映画史上に名高いこの名シーンで、馬の乗り移りを演じたスタントには改めて敬意を表したい。よくぞ一発勝負で写したものである。すごい迫力だ。同様に馬から転げ落ちるスタントもすごい。そのアップテンポのシーンを観るだけでも価値がある。

ジョンウェインはまだ若い。映画としての完成度では、カラー作品ということもあってか「捜索者」の方が上回ると思う。しかし、この映画が見せる荒々しさと浪花節的人間劇は心に強くインパクトを与える。
この映画の曲はどれも小さいころから何度も繰り返し聞いてきた曲である。誰もがこの映画を観て同じようなことを感じるであろう。ある意味心のふるさとのような映画だ。

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