映画とライフデザイン

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映画「カラオケ行こ!」綾野剛&山下敦弘

2024-01-19 17:17:36 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「カラオケ行こ!」を映画館で観てきました。


映画「カラオケ行こ!」は山下敦弘監督綾野剛とコンビを組んだコメディ映画である。和山やまの漫画が原作でカラオケが上手くなるために、ヤクザが合唱部部長の中学生に指導を受ける話である。昨年末の荒井晴彦監督「花腐し」のラストで主演の綾野剛がさとうほなみとあまり上手くないカラオケを披露した。今だに歌声が耳に焼きついている。昨年、山下敦弘監督は台湾映画のリメイク「1秒先の彼女」のメガホンを持った。自分的には相性が良い映画だった。このコンビが組めばなんとかなるだろうと映画館に向かう。

大阪の中学で合唱部部長の岡聡実(齋藤潤)は合唱コンクールの会場でヤクザの成田狂児(綾野剛)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者への罰ゲームを回避するためだ。変声期に入ってスランプ気味の聡実が狂児やヤクザ仲間のレッスンに付き合ううちに奇妙な友情が生まれてくる。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」だ。

ヤクザの存在が関わっても、実はシンプルな青春コメディだ。
軽めの役を受けもった綾野剛がノッてる。中学生との絡みがおもしろい。


序盤に軽い沈滞部分があっても、途中からエンジンがかかる。裏社会がからむと映画の舞台設定が大阪になってしまうことが多い。でも、その大阪のヤクザがいかにも裏社会的な犯罪行為に走る映画ではない。ヤクザたちが一瞬恫喝的に突っ張っても、音痴を克服するテーマなのでストーリーが笑いの世界に入っていく。中学生がカラオケ屋でヤクザの歌を一言で評価をする場面が実に楽しい。一方で、純朴な中学生たちの合唱部青春物語を並行する。スレていない。それだけにまとまりがつく。エロ系の描写や激しい流血シーンなどはなく,中学生でも安心して見れる映画になっている。


エンディングの曲に背筋がゾクッとした。女性ボーカルグループLittle Glee Monsterの「虹」だ。これが抜群に良かった。みずみずしい歌声が心に響く。観客の誰もが席をたたなかった。自分と同じような気分になったのであろう。そして、エンディングロールの最後に改めて綾野剛が登場する。

⒈綾野剛
ずいぶんと綾野剛の映画を観ているけど、悪徳警官やヤクザ、半グレの役が多い。どれもこれも激しい格闘シーンがあるから肉体的にはたいへんだ。今回ヤクザ役と言ってもこの映画には立ち回りはほとんどない。いつもより楽だったんじゃないかな?中学生との掛け合いトークが楽しそうだ。大阪弁のセリフにキレがある。ぼそぼそ話をしていた「花腐し」とは大違いだ。この役柄にノッてる感じがした。

「花腐し」の最後で山口百恵「さよならの向こう側」を歌う時にはびっくりした。率直にあまりうまくないと思ったが今回はその流れを引きずっている。ひたすらX JAPANの曲にこだわっていても,中学生からこの曲を歌ったほうがいいんじゃないかとリストを用意される。そこで実際に「ルビーの指環」などのリストの曲を歌ってしまうシーンも目線を下げていい感じだ。


⒉山下敦弘
数多い山下敦弘監督の作品でも函館が舞台の「オーバーフェンス」と大阪ミナミで撮った「味園ユニバース」の2つが1番好きだ。「味園ユニバース」はまさに大阪千日前を舞台にした作品で,歌と大阪弁が前面に出てくる。大阪芸大出身の山下敦弘だけに大阪弁を駆使した映画はのれるのかもしれない。毎回コミカルなテイストを組み込むのが得意だ。

改めて素性を確認したら,山下敦弘は愛知県出身,綾野剛は岐阜県出身でいずれも中部エリア出身で関西人ではない。しかも,エンディングロールで今回のロケ地を確認したら,どうも千葉中心の関東のようだ。合唱団も府中となっていた。よくもまぁこんな大阪テイストの映画が撮れたものだ。妙に感心した。

中学生の主人公は映画クラブの同級生と一緒に「カサブランカ」を観ている。
まさにハンフリーボガード「君の瞳に乾杯」の場面だ。山下敦弘の趣味だろうか?


⒊そして自分
先日協力会社の人たちと浅草寺に参拝に行った。隅田川のほとりで会食した後,映画「PERFECT DAYS」でも出てくる東武浅草駅そばで一杯休憩をしつつ,「花腐し」にも出てくる四谷荒木町で飲もうかと迷い,結局銀座に突入した。ホステスとデュエットしたりジルバ踊ったりやり放題だったが、「花腐し」を観た昨年末から「さよならの向こう側」の曲フレーズが耳について離れない。練習中だけどなかなか思い通りにいかない。綾野剛がうまく歌えないとは偉そうに言える立場ではない。

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