映画とライフデザイン

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映画「白日青春」 アンソニーウォン

2024-02-02 18:21:01 | 映画(アジア)
映画「白日青春」を映画館で観てきました。


映画「白日青春」は香港に数多く滞在している難民の問題に焦点をあてる物語である。黒社会を舞台にした「インファナル・アフェア」などでおなじみのアンソニー・ウォンが主演だ。

タクシー運転手の陳白日(アンソニーウォン)は70年代に中国から泳いで香港に密境してきた。結婚する息子は警察官となったが、親子関係は疎遠だった。事故がらみでパキスタンからの不法移民の男アフメドと繋がるが、結局アフメドは交通事故で亡くなってしまい妻子が残される。その子どもハッサンとひょんな縁で付き合った主人公は、母親が結局香港から強制退去となるのを知り、ハッサンをカナダに移住させてあげようと動く。


香港舞台だとくいつくが、予想ほどはおもしろくなかった。
以前からインド系の顔をした連中が香港の街中をたむろっていた。フリーポートの香港には貧しいパキスタンなどの国から入って来やすかったのであろう。集団スリのようなひったくりを見たこともある。

不法移民の息子でも小学校には通えている。それ自体は香港政府もゆるやかな方と感じるけど、子どもが仲間たちと泥棒を繰り返している。観ていて気分の良いモノではない。子どもの親はパキスタンでは弁護士だったらしく、人のものを盗むのをとがめる。中近東映画で恵まれない子がウソつきで流浪の生活を送るような映画も観たけど、似たようなものだ。貧しい国だと弁護士レベルでも出国しなければならないのであろうか?


成瀬巳喜男の最後の作品乱れ雲では、夫を交通事故で亡くした未亡人(司葉子)と、事故の加害者の男(加山雄三)が惹かれ合うという構図があった。この映画のStoryも似ている。主人公のタクシー運転手は自らの営業権を売って、子どもの密航の費用を捻出しようとする。映画「カサブランカ」を彷彿するようなラストに持っていこうとする制作者の意図は感じても、最後まで美化できるとは思えなかった。

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