映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「パストライブス」

2024-04-07 20:11:04 | 映画(洋画:2019年以降主演女性)
映画「パストライブズ」を映画館で観てきました。


映画「パストライブス」は韓国系アメリカ人の監督セリーヌソンによるニューヨークを舞台にしたラブストーリーである。オバマ元大統領が、年末にその年のベスト映画を発表している。これは大変参考になるリストだ。数々の名作に加えてこの「バストライブス」も入っていた。まだ日本未公開の次の年の優良作品がここでリストアップされるのは助かる。

とりあえず作品情報を引用する。
12歳の時一緒に学校に通っていた韓国人の2人が36歳で再会する。既に女性はニューヨークで結婚している。それでも韓国に幼なじみの男が訪問してくる。12歳, 24歳, 36歳の2人を追いかけていくのと同時に,夫の反応も映し出していく。

ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会を果たし、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。

そして12年後の36歳、ノラ(グレタ・リー)は作家のアーサー(ジョン・マガロ)と結婚していた。ヘソン(ユ・テオ)はそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。


居心地の良い映画である。
大きな起伏は無い。でも好感が持てる。

韓国映画によくあるハラハラドキドキ感は皆無である。末梢神経も刺激されない。かといって,ラブストーリーであっても、きわどいベッドシーンがあるわけではない。各種映画賞でノミネートされたということは、あまり意識しないほうがいい。この映画を見て、男性から昔の彼女に電話をしたいとか連絡をしたいとか思う人は多いだろう。女性の立場でもあるかもしれない。

事前情報を得てマギーチャン主演の「ラブソング」を思い浮かべていた。双曲線を描くように、ロングタームで続く2人の軌跡を描く名作だ。でもこれは違う。しっとりと2人に加えて、現在の夫のアメリカ人の3人の姿を描くストーリーだ。意外性はない。恋の深層に迫る映画だ。


いかにも韓国映画によく出てくるソウルの急な坂が最初に出てくる。そこで12歳の2人を移す場面はそんなに多くはない。セリフは英語と韓国語が半々だ。

その後はパソコンを通じての2人の会話だ。最初に出会ってから12年後に男性からアプローチするのだ。そこで一旦近づく。男からもっと近づいてもいい気がする。うまくいってるように見えるけれども、途中で彼女の方がしばらく距離を置きたいと拒否する。その辺の女性の気持ちは男性にはよくわからない。でもその後, 12年後に転換する。12年前と彼女の顔は大して変わらない。美人ではないけれども、魅力的だ。

そこから展開する。直近のニューヨークロケの映像はなかなか素敵だ。大画面で見ると、すごく心地が良い。空いてる映画館で見たほうがいいかもしれない。自分は心地よい気分がした。バッテリーパークから先の自由の女神付近も遊覧船で回る。ブルックリン橋のそばの映像も大画面で見るとそこにいるかの感じがする。みんな素敵だ。ニューヨークロケの映画でもこんな感じを味わえる事はありそうで滅多にない。


この映画に韓国映画で通常求めるストーリーの可変性はなくていいかもしれない。個人的には楽しめたと同時に心の安らぎと昔の女性への想いを感じた。それだけで充分だと思う。感謝したい。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする