映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「宮松と山下」 香川照之

2022-11-23 06:53:52 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「宮松と山下」を映画館で観てきました。


映画「宮松と山下」は香川照之主演のシリアスドラマである。佐藤雅之、関友太郎、平瀬謙太郎の3人の監督集団の演出で、香川照之が記憶喪失したエキストラ俳優を演じる。銀座ホステスの問題でメジャー路線から干されてしまった香川照之であるが、ここでは静かに役柄に没頭している。

時代劇の斬られ役のエキストラ俳優の宮松(香川照之)は、ロープウェイの下働きも兼ねながら京都で暮らしている。宮松には過去の記憶はない。そんな宮松のもとに元同僚だというタクシー運転手(尾身トシノリ)が訪れる。映像でみて「山下」という名だった男に気づいたのだ。12才下の妹が心配しているよと横浜に呼び寄せ、兄妹再会するのであるが。。。


ゆったりしたムードで流れる。質の良い短編小説を読んでいる気分になる。
TVでは悪役で売っていた香川照之が、いつものかんしゃくを見せない。3人のインテリ監督による映像である。セリフを極力少なく、演技する俳優の表情で変化を伝える映像だ。監督は映画理論にうるさそうだ。はっきりと言葉にせずに、観客にある事実を推測させる映画である。

観客を騙そうとする意図が感じられる場面がいくつもある。あえて詳しくは語らないが、エキストラで役柄を演じている場面とリアルな場面が交錯するので、アレ?という感じで意表を突く。観客に錯覚を起こさせようとする。この辺りの誘導はうまい。自分もまんまと引っかかる。


エキストラの場面では、香川照之も三枚目に徹する。それがいい。銀座ホステスの問題は、異論もあるだろうが不運と感じる。銀座に行くと、夜の蝶の美女たちは「銀座の女がすることじゃないよ。」と誰もが香川照之を擁護する。ただ、公人的にはアウトだろう。世の中、目立たず生きるのがいちばんかもしれない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「ある男」安藤サクラ&... | トップ | 映画「ザリガニの鳴くところ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(日本 2022年以降 主演男性)」カテゴリの最新記事