フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作映画「誰よりも狙われた男」を映画館で見てきました。
これはよくできている映画だ。
ハンブルクの美しい映像に陰謀渦巻くショットがきれいにとけこむ映像美が際立つ作品であった。
スパイ映画という予備知識だけで映画を見た。途中解説がないので、登場人物の関係がよくわからないなあと感じる場面もいくつかあった。それでも彼らを映しだす構図がしっかりしていて、撮影者の技量を感じた。登場人物はフィリップ・シーモア・ホフマン以外もレイチェル・マクアダムスや「東ベルリンから来た女」のニーナ・ホスや「ラッシュ」のレーサー役ダニエル・ブリュールなどのドイツ人俳優など主演級がずらりと並び、それぞれに存在感を持たせるところもよい。
ドイツの港湾都市ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームを率いる練達のスパイ、ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、密入国したひとりの若者に目をつける。彼の名前はイッサ(グレゴリー・ドブリギン)といい、イスラム過激派として国際指名手配されていた。
イッサは人権団体の若手弁護士の女性、アナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)を介して、銀行家のトミー・ブルー(ウィレム・デフォー)と接触。彼の経営する銀行に、イッサの目的とする秘密口座が存在しているらしい。一方、マーサ・サリヴァン(ロビン・ライト)率いるCIAの介入も得たドイツの諜報界はイッサを逮捕しようと迫っていた。しかしバッハマンはイッサをあえて泳がせ、彼を利用することでテロリストへの資金支援に関わる“ある大物”を狙おうとしていた―。
そしてアナベルは、自分の呪われた過去と決別しようとしているイッサを命がけで救おうとする。
また彼女に惹かれるブルーも、バッハマンとそのチーム員イルナ(ニーナ・ホス)やマキシミリアン(ダニエル・ブリュール)と共に闇の中に巻き込まれていくのだった……。(作品情報より引用)
1.ハンブルク
大学の第2外国語がフランス語でドイツには苦手意識がある。ハンブルクで連想するのは、「ラブミードゥ」でデビューする前のビートルズが遠征していた場所ということくらいだ。港湾都市と知っていたが、地図を見てビックリ。映画を見終わるまで海に面している場所と思っていたら、内陸の都市なのだ。大きな川なんだなあ。
フィリップ・シーモア・ホフマンが船にのって沖合に出て、自分の手下と内密の話をする場面がある。どうみても海だ。しかも、同じように高い建物の階上のカフェテラスで、ロビン・ライト扮するCIAのリーダーと密談している場所から見下ろす港の風景をみても海だと思っていた。このようなハンブルクの風景を映画の中にふんだんに入れているところが、この映画の魅力である。
猥雑な夜のクラブや欧州の昔風のアパートの屋上でレイチェル・マクアダムスとイスラム過激派の青年を映すショットもいい。
2.フィリップ・シーモア・ホフマン
アカデミー賞主演男優賞を受賞した「カポーティ」の奇声で彼を知るようになった。ただ、彼が出演するそれまでの作品もほとんど見ていることにその後気づいた。その後も「ミッションインポッシブル」「ザ・マスター」の悪役、シドニールメットの遺作で個人的にそのスピード感が好きな「その土曜日、7時58分」での演技は抜群だ。最近の「25年目の弦楽四重奏」も上質な味わいがある。
この映画ではタバコをずっと吸ってばかりいる。エージェントといっても、派手なアクションや格闘シーンがあるわけではない。標的を泳がしながら、動きを探ってじんわりと裏の世界を追う仕事師だ。腹が出ていて体型は醜く、動きも鈍い。カッコ悪い諜報員だが、この役他の人には無理なんだろうなあ。彼が出演する作品はどれもこれもいい映画だったので本当に残念。ご冥福を祈りたい。
これはよくできている映画だ。
ハンブルクの美しい映像に陰謀渦巻くショットがきれいにとけこむ映像美が際立つ作品であった。
スパイ映画という予備知識だけで映画を見た。途中解説がないので、登場人物の関係がよくわからないなあと感じる場面もいくつかあった。それでも彼らを映しだす構図がしっかりしていて、撮影者の技量を感じた。登場人物はフィリップ・シーモア・ホフマン以外もレイチェル・マクアダムスや「東ベルリンから来た女」のニーナ・ホスや「ラッシュ」のレーサー役ダニエル・ブリュールなどのドイツ人俳優など主演級がずらりと並び、それぞれに存在感を持たせるところもよい。
ドイツの港湾都市ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームを率いる練達のスパイ、ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、密入国したひとりの若者に目をつける。彼の名前はイッサ(グレゴリー・ドブリギン)といい、イスラム過激派として国際指名手配されていた。
イッサは人権団体の若手弁護士の女性、アナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)を介して、銀行家のトミー・ブルー(ウィレム・デフォー)と接触。彼の経営する銀行に、イッサの目的とする秘密口座が存在しているらしい。一方、マーサ・サリヴァン(ロビン・ライト)率いるCIAの介入も得たドイツの諜報界はイッサを逮捕しようと迫っていた。しかしバッハマンはイッサをあえて泳がせ、彼を利用することでテロリストへの資金支援に関わる“ある大物”を狙おうとしていた―。
そしてアナベルは、自分の呪われた過去と決別しようとしているイッサを命がけで救おうとする。
また彼女に惹かれるブルーも、バッハマンとそのチーム員イルナ(ニーナ・ホス)やマキシミリアン(ダニエル・ブリュール)と共に闇の中に巻き込まれていくのだった……。(作品情報より引用)
1.ハンブルク
大学の第2外国語がフランス語でドイツには苦手意識がある。ハンブルクで連想するのは、「ラブミードゥ」でデビューする前のビートルズが遠征していた場所ということくらいだ。港湾都市と知っていたが、地図を見てビックリ。映画を見終わるまで海に面している場所と思っていたら、内陸の都市なのだ。大きな川なんだなあ。
フィリップ・シーモア・ホフマンが船にのって沖合に出て、自分の手下と内密の話をする場面がある。どうみても海だ。しかも、同じように高い建物の階上のカフェテラスで、ロビン・ライト扮するCIAのリーダーと密談している場所から見下ろす港の風景をみても海だと思っていた。このようなハンブルクの風景を映画の中にふんだんに入れているところが、この映画の魅力である。
猥雑な夜のクラブや欧州の昔風のアパートの屋上でレイチェル・マクアダムスとイスラム過激派の青年を映すショットもいい。
2.フィリップ・シーモア・ホフマン
アカデミー賞主演男優賞を受賞した「カポーティ」の奇声で彼を知るようになった。ただ、彼が出演するそれまでの作品もほとんど見ていることにその後気づいた。その後も「ミッションインポッシブル」「ザ・マスター」の悪役、シドニールメットの遺作で個人的にそのスピード感が好きな「その土曜日、7時58分」での演技は抜群だ。最近の「25年目の弦楽四重奏」も上質な味わいがある。
この映画ではタバコをずっと吸ってばかりいる。エージェントといっても、派手なアクションや格闘シーンがあるわけではない。標的を泳がしながら、動きを探ってじんわりと裏の世界を追う仕事師だ。腹が出ていて体型は醜く、動きも鈍い。カッコ悪い諜報員だが、この役他の人には無理なんだろうなあ。彼が出演する作品はどれもこれもいい映画だったので本当に残念。ご冥福を祈りたい。