映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ジュリー&ジュリア  メリル・ストリープ&エイミー・アダムス

2011-01-01 10:36:18 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
今年も1から映画スタートだ。
まずはメリルストリープとエイミー・アダムスの「ジュリー&ジュリア」からスタートで行こう。
メリル映画では「恋するベーカリー」なんて詐欺のような邦題にだまされたが、この映画は完ぺきなグルメ映画である。1949年と2002年の二つの物語をうまく組み合わせて素敵な映画にしている。ノーラ・エフロン監督はラブコメ得意の大ベテランである。新年早々この見事な料理ぶりを観て、今年もいい年の予感がする。


1949年アメリカ人のジュリア・チャイルドことメリル・ストリープは、外交官の夫の転勤でパリにやって来る。ジュリアはフランス料理に目覚め、自分で料理を学ぼうと決意する。もともと料理の才能がない方で、実家からは料理人を派遣しようかといわれる始末であった。プロを目指す料理人の中で素人ぶりが目立ったが、負けん気を発揮して、腕を上げていく。そして料理本をつくろうとする話が仲間内から出てくるのであるが。。。


2002年のニューヨーク。作家になる夢に破れ、公社の電話オペレーターとして働く29歳OLのジュリー・パウエルことエイミー・アダムスにはやさしい夫がいる。クィーンズのピザ屋の2階に間借りして、911テロの後始末処理でうんざりする毎日を過ごしていた。ある日、料理が大好きな彼女は、料理研究家ジュリア・チャイルドの524のフレンチレシピを365日で作り、それを毎日ブログにのせることを思いつく。最初は失敗だらけであった。悪戦苦闘するジュリーのブログは注目をあびるようになるが。。。



このストーリーを交互に描いていく。メリルストリープはモデルのジュリアをまねしたと思われるカン高い声で話しながら、ジュリアの不器用な性格をうまく演じている。子供ができないことが唯一の悩みで、外交官である夫とは強烈に仲のいい夫婦であったようだ。
パリは昔からの建物がそのまま残っていて、時代をさかのぼったロケが普通にできてしまう。そこに室内の美術の巧みさが加わり、アメリカ人による素敵なパリがつくられている。時代設定が1949年だけに、赤狩りマッカーシー議員をメリルの父親が支持して、夫が反発するなんて話もある。奇妙なことに911テロ直後の市民相談係をやっているエイミーともども軽い政治的味付けがあるのも面白いところだ。


エイミー・アダムスもいい。お茶目な彼女が思い立って料理に挑戦する姿は、つい応援したくなるような何かを自分に感じさせてくれた。まあ料理のおいしそうなこと。映画の中でこれほどまでに並ぶのは珍しい。ホームパーティのシーンが楽しそう。誕生日パーティでみんなワッペンを付けているのが、かわいい。
あとは二人の夫がやさしいということ。女性が観ることを前提としているのであろう。こんな旦那だったら幸せになれるというのを前面に出しているような気がする。でも男が観てもいい映画だ。
一人で観に行く勇気はないけど。。。


ノーラ・エフロン監督といえば、脚本もこなし、「恋人たちの予感」「めぐり逢えたら」「ユーガッタメール」などを手掛けている。これらの作品の共通性はニューヨークである。そんなニューヨークを知り尽くした監督がさばくので、映画がうまくいかないはずがない。しかも、美術、インテリアのセンスは抜群だ。映像を心から楽しめた。

そういえばエイミーのパソコンがVAIOでテレビがSONYだった。考えてみたらコロンビア映画だったんだよね。
コメント
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