映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

コラテラル トムクルーズ

2011-01-02 16:51:34 | 映画(自分好みベスト100)
トムクルーズが非情な殺し屋を演じるマイケルマン監督の犯罪サスペンスアクションである。
自分の中でのベスト10に入るテンポのいい作品で、時間をおきながら何度も見ている。
いつみてもいい。見るたびごとに新しい発見がある傑作である。


ロスのタクシー運転手ことジェイミー・フォックスは、客から行き先を聞くと瞬時に最短ルートとその所要時間を計算するドライバーである。ある晩、一人の男ことトム・クルーズを乗せた。住所をいって瞬時に所要時間7分といい、その通りに着いた。腕を見込んだトムは600$で一晩タクシーを借りきるという。規定違反だがその話にのる。車から外に出たトムを待つと、いきなり死体が隣のビルから車体へ落ちてくる。
どうやらトム・クルーズがやったようだ。ジェイミーはおびえたが、やむなく死体をトランクに運び、男の言うとおりにタクシーを運転する。トムは殺し屋で、一晩に5人を殺す仕事を受けていたのであった。

セリフのセンスはいいし、ロス市内を縦横無尽に走るアクションシーンは抜群だ。この映画でのトムクルーズは驚くほどに身が軽い。拳銃によるアクションシーンに無駄がない。障害物競走のように次から次へと目の前に何かが現れるが、冷静沈着かつ完ぺきな仕事?ぶりでさばいていく。悪役を演じたトムクルーズが他の作品に見られない狂喜の演技を見せる。
出足でトランスポータージェイソンステイサムトムクルーズに標的の資料を受け渡す場面が出てくる。二人の顔をみてふと思った。トムとジェイソンとは格が違うなって!


そのバックは夜が実に似あうロスだ。
普通のダウンタウンだけでなく、高層オフィスビル、ジャズクラブ、ナイトクラブと現代ロスの夜を象徴するような場所を廻る。トムとジェイミーの会話の応酬は普通の会話ではない。トムの背景はわからないが、ダーウィンに、フロイトに、マイルスデイヴィスと多くのジャンルにいろんなうんちくを持つ。そこにウィットに富んだ言葉を混ぜながら、一つ一つの殺しのストーリーを積み上げていく。

これは脚本の奥の深さかと思う。
ジェイミーという人間像もこんな短い時間の中でよくわかってしまう。トムクルーズから逃げながらも逃げられない哀しいサガをうまく表現する。それでも映画の進行とともに本能的な平衡感覚を示していく。トムクルーズの役柄の人間像もあらわになるが、ゴルゴ31の伝説の生い立ちの諸説を思い出す。
ルーツを描いた「芹沢家殺人事件」を思い出した。

すばらしい!

何度も見ながら今回はっと気がついたことがある。
トムとジェイミーがロスのジャズクラブに入ってその演奏を聴く。トランペット率いるモダンジャズであるが、演奏の音色に聴きおぼえがあった。マイルスデイヴィスがジャズ史を塗り替えた傑作「ビッチェズ・ブリュー」の曲ではないか?でもまさかマイルスの曲はやるまいと思ったら、サントラの中にあった。「スパニッシュキー」である。中学から高校にかけてレコードが擦り切れるほど聴いた。
マイルスのトランペットが実に冴える曲だ。


トムクルーズがジャズクラブの店主に語る。「マイルスの音楽との出合いを正確に言ったら許してやる」と、果たして自らもトランペットをふく店主はちゃんと言えたであろうか?。。。。。
渋い場面だ。

コラテラル
悪役トムクルーズがスリリングなロスの夜を駆け抜ける
コメント (4)
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オールド・ドッグ  ジョントラボルタ

2011-01-02 06:21:15 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ジョン・トラボルタとロビン・ウィリアムズのベテラン俳優の共演である。
中年独身男性二人が7歳の双子を預けられ、悪戦苦闘するドタバタコメディ。サンドラブロックの「ウルトラアイラブユー」と同じでラジー賞候補となり、日本未公開であった。とはいうもののこの二人には他の俳優以上の思い入れがあり楽しみにしていた。腹を抱えて笑える場面も多く、気楽に楽しむのにはいいのでは?



バツイチのロビンウィリアムスと独身貴族のジョントラボルタは小さいころからの親友。仕事でもパートナーの二人は、日本企業を相手に大きな商談をしていた。そんな時、ある美しい女性がロビンを訪ねて来た。7年前にマイアミに行ったときにお付き合いした女性だった。子供のいる彼女はちょっとしたことで服役しなければならないという。気の毒に思いロビンは思わず引き受けてしまい、7歳の双子で実子を預かるハメに。最大の商談が成立するかもしれないな時期に、子育ての重荷が大きくのしかかるが。。。



ロビンとキッズたちが街を歩けば、親子ではなく祖父と孫の関係に間違えられてしまう。「オールドドッグ」との邦題であるが、原題はdogsとsがつく。要は二人の老人ということなのである。
至る所で笑いを誘うつぼを備えていて、笑い過ぎで何回も腹が痛くなった。

ジョントラボルタは「サタデイナイトフィーバー」で、ロビン・ウィリアムスは「グッドモーニングベトナム」で強い印象を与えた。その後それぞれの代表作はあるが、その2作の印象だけでいまだに映画界を渡り歩いている気もする。それぞれがバカになれるキャラだけに、コメディが実によく合っている。
サンドラブロックのラジー賞は、「行き過ぎた若造り」と解釈したが、これは何だろう?トラボルタの妻をロビンの彼女役にしたり、娘を親バカで出演させているということなのかしら?往年のセクシー女優妻の母親役アンマーグレットがケバイ化粧で出演したことか?わからない。
笑いを前面に出してTVコマーシャルとかやれば日本でヒットしたのではないか?

商談相手が日本企業である。90年代初頭のアメリカ映画の設定には、よくビジネスマンとしての日本人が出てきたものだ。最近ではめずらしい。日本経済の相対的実力低下を表わしている気がしたが、たまにはいい。現地人なのかどうかはよくわからなかったが、おかしな日本語が連発していたのは御愛嬌
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