トムクルーズが非情な殺し屋を演じるマイケルマン監督の犯罪サスペンスアクションである。
自分の中でのベスト10に入るテンポのいい作品で、時間をおきながら何度も見ている。
いつみてもいい。見るたびごとに新しい発見がある傑作である。
ロスのタクシー運転手ことジェイミー・フォックスは、客から行き先を聞くと瞬時に最短ルートとその所要時間を計算するドライバーである。ある晩、一人の男ことトム・クルーズを乗せた。住所をいって瞬時に所要時間7分といい、その通りに着いた。腕を見込んだトムは600$で一晩タクシーを借りきるという。規定違反だがその話にのる。車から外に出たトムを待つと、いきなり死体が隣のビルから車体へ落ちてくる。
どうやらトム・クルーズがやったようだ。ジェイミーはおびえたが、やむなく死体をトランクに運び、男の言うとおりにタクシーを運転する。トムは殺し屋で、一晩に5人を殺す仕事を受けていたのであった。
セリフのセンスはいいし、ロス市内を縦横無尽に走るアクションシーンは抜群だ。この映画でのトムクルーズは驚くほどに身が軽い。拳銃によるアクションシーンに無駄がない。障害物競走のように次から次へと目の前に何かが現れるが、冷静沈着かつ完ぺきな仕事?ぶりでさばいていく。悪役を演じたトムクルーズが他の作品に見られない狂喜の演技を見せる。
出足でトランスポーターのジェイソンステイサムがトムクルーズに標的の資料を受け渡す場面が出てくる。二人の顔をみてふと思った。トムとジェイソンとは格が違うなって!
そのバックは夜が実に似あうロスだ。
普通のダウンタウンだけでなく、高層オフィスビル、ジャズクラブ、ナイトクラブと現代ロスの夜を象徴するような場所を廻る。トムとジェイミーの会話の応酬は普通の会話ではない。トムの背景はわからないが、ダーウィンに、フロイトに、マイルスデイヴィスと多くのジャンルにいろんなうんちくを持つ。そこにウィットに富んだ言葉を混ぜながら、一つ一つの殺しのストーリーを積み上げていく。
これは脚本の奥の深さかと思う。
ジェイミーという人間像もこんな短い時間の中でよくわかってしまう。トムクルーズから逃げながらも逃げられない哀しいサガをうまく表現する。それでも映画の進行とともに本能的な平衡感覚を示していく。トムクルーズの役柄の人間像もあらわになるが、ゴルゴ31の伝説の生い立ちの諸説を思い出す。
ルーツを描いた「芹沢家殺人事件」を思い出した。
すばらしい!
何度も見ながら今回はっと気がついたことがある。
トムとジェイミーがロスのジャズクラブに入ってその演奏を聴く。トランペット率いるモダンジャズであるが、演奏の音色に聴きおぼえがあった。マイルスデイヴィスがジャズ史を塗り替えた傑作「ビッチェズ・ブリュー」の曲ではないか?でもまさかマイルスの曲はやるまいと思ったら、サントラの中にあった。「スパニッシュキー」である。中学から高校にかけてレコードが擦り切れるほど聴いた。
マイルスのトランペットが実に冴える曲だ。
トムクルーズがジャズクラブの店主に語る。「マイルスの音楽との出合いを正確に言ったら許してやる」と、果たして自らもトランペットをふく店主はちゃんと言えたであろうか?。。。。。
渋い場面だ。
自分の中でのベスト10に入るテンポのいい作品で、時間をおきながら何度も見ている。
いつみてもいい。見るたびごとに新しい発見がある傑作である。
ロスのタクシー運転手ことジェイミー・フォックスは、客から行き先を聞くと瞬時に最短ルートとその所要時間を計算するドライバーである。ある晩、一人の男ことトム・クルーズを乗せた。住所をいって瞬時に所要時間7分といい、その通りに着いた。腕を見込んだトムは600$で一晩タクシーを借りきるという。規定違反だがその話にのる。車から外に出たトムを待つと、いきなり死体が隣のビルから車体へ落ちてくる。
どうやらトム・クルーズがやったようだ。ジェイミーはおびえたが、やむなく死体をトランクに運び、男の言うとおりにタクシーを運転する。トムは殺し屋で、一晩に5人を殺す仕事を受けていたのであった。
セリフのセンスはいいし、ロス市内を縦横無尽に走るアクションシーンは抜群だ。この映画でのトムクルーズは驚くほどに身が軽い。拳銃によるアクションシーンに無駄がない。障害物競走のように次から次へと目の前に何かが現れるが、冷静沈着かつ完ぺきな仕事?ぶりでさばいていく。悪役を演じたトムクルーズが他の作品に見られない狂喜の演技を見せる。
出足でトランスポーターのジェイソンステイサムがトムクルーズに標的の資料を受け渡す場面が出てくる。二人の顔をみてふと思った。トムとジェイソンとは格が違うなって!
そのバックは夜が実に似あうロスだ。
普通のダウンタウンだけでなく、高層オフィスビル、ジャズクラブ、ナイトクラブと現代ロスの夜を象徴するような場所を廻る。トムとジェイミーの会話の応酬は普通の会話ではない。トムの背景はわからないが、ダーウィンに、フロイトに、マイルスデイヴィスと多くのジャンルにいろんなうんちくを持つ。そこにウィットに富んだ言葉を混ぜながら、一つ一つの殺しのストーリーを積み上げていく。
これは脚本の奥の深さかと思う。
ジェイミーという人間像もこんな短い時間の中でよくわかってしまう。トムクルーズから逃げながらも逃げられない哀しいサガをうまく表現する。それでも映画の進行とともに本能的な平衡感覚を示していく。トムクルーズの役柄の人間像もあらわになるが、ゴルゴ31の伝説の生い立ちの諸説を思い出す。
ルーツを描いた「芹沢家殺人事件」を思い出した。
すばらしい!
何度も見ながら今回はっと気がついたことがある。
トムとジェイミーがロスのジャズクラブに入ってその演奏を聴く。トランペット率いるモダンジャズであるが、演奏の音色に聴きおぼえがあった。マイルスデイヴィスがジャズ史を塗り替えた傑作「ビッチェズ・ブリュー」の曲ではないか?でもまさかマイルスの曲はやるまいと思ったら、サントラの中にあった。「スパニッシュキー」である。中学から高校にかけてレコードが擦り切れるほど聴いた。
マイルスのトランペットが実に冴える曲だ。
トムクルーズがジャズクラブの店主に語る。「マイルスの音楽との出合いを正確に言ったら許してやる」と、果たして自らもトランペットをふく店主はちゃんと言えたであろうか?。。。。。
渋い場面だ。
コラテラル | |
悪役トムクルーズがスリリングなロスの夜を駆け抜ける | |