映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

死刑台のエレベーター  ジャンヌ・モロー

2010-11-02 21:16:49 | 映画(フランス映画 )
前は映画をみても記録に残していなかった。それが2007年に思い立って、観た映画を記録するようになった。記録を始めてから気が付いてみると1000作目にあたった。
1000作目は記念になるものをと思い、ロードショーを見渡して、これしかないと思ったのが1958年のフランス映画「死刑台のエレベーター」だ。渋谷でひっそりとルイ・マル監督の特集をやっていた。ジャンヌモローにとっても代表作。映画館の暗闇の中に映る夜のジャンヌモローが素敵だ。マイルスデイヴィスのトランペット演奏がクールにしみわたる。



いきなりアップのジャンヌモローが「ジュテーム」を連発するシーンからスタートする。
主人公の技師ことモーリス・ロネと社長夫人ことジャンヌ・モローは不倫の仲だった。邪魔者である社長を殺すことを考えた二人は完全犯罪を計画した。殺害計画実行の日、モーリスはバルコニーからロープをかけて上り、社長室に入り、社長を射殺し、自殺と見せかけるべくその手に拳銃を握らせた。巧みに中から鍵をかけた形にして、モーリスは再び一階下の自分の部屋に降りた。何もなかったように電話交換手とビルの管理人と共に、エレベーターでおり、外に出て自分の車に乗った。しかし、手すりに昇降用のロープを忘れて来たことに気付き、エレベーターに乗った。ところが、ビルの管理人が電源スイッチを切って帰ってしまい、突然エレベーターは止まってしまった。モーリスは脱出せんと試みたが無駄だった。その時ビルの外にあったモーリスの車を花屋の売り子とチンピラ男が盗んでパリ郊外に走り出た。ジャンヌとの約束の時間はどんどん過ぎていった。ジャンヌは手掛かりのあるところをさがしまわったが見つからない。。。。



アップを多用するカメラワークがいい。ジャンヌモローをアンリ・ドカエが手持ちカメラで追いかける。ジャンヌはツンとお澄ましした顔がよく似合う。笑顔が似あわない。そんなクールな表情は夜のムードにぴったりだ。ジャンヌモローが出演しミケランジェロ・アントニオーニが監督した1961年の「夜」という映画がある。マストロヤンニと愛の不毛を描いた映画だ。にこりともしない彼女のクールさが際立っていた。比較すると「死刑台のエレベーター」の方が美しさが際立つ。



そのクールな画面にマイルスデイヴィスのトランペットがからむ。ジャンヌモローがパリの夜を彷徨うシーンにはぴったりだ。映画を見て即興で作曲して、古く憂鬱な建物でムードを出しながら吹いたという。さすがだ。でも正直ちょっと画像に合わないなあと思う曲もあった。
この当時マイルスはジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリージョージョーンズの初期のゴールデンカルテットを組んでいた。恋人ジュリエット・グレコが行っていたこともあり、57年の秋から冬にかけてパリに長期滞在をする。パリにいる現地のメンバーとクラブに出演していたらしい。そんな時飛び込んできた映画音楽の話だ。
車を盗んだ二人がパリ郊外に走る場面では、かなりアップテンポに演奏する。ミュートが冴える夜のムードが基調の曲もいいが、アップテンポもなかなかいい。

現代の映像技術からすると物足りない部分はいくつかある。でも小道具の使い方がうまく、それが最後まで効いている。若干25歳のルイマル監督の英知がみえる傑作だ。これは映画館の暗闇の中で鑑賞してよかった。夜のジャンヌモローは映画館ではえる。1000作記念忘れられなくなった。
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噂のモーガン夫婦  ヒューグラント&サラ・ジェシカ・パーカー

2010-11-02 06:20:29 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ラブコメの帝王ヒューグラントが「セックスアンドシティ」で現代アメリカ40代の女性の代表となったサラ・ジェシカ・パーカーと組んでつくったラブコメディ。高尚なことは考えず、単純に楽しむ映画だ。ヒューグラントのドジな振る舞いが笑える。

サラ・ジェシカ・パーカーは、マンハッタンで高額物件を扱う不動産会社の女社長。夫のヒュー・グラントは敏腕弁護士。モーガン夫妻は2人は噂のセレブカップルだった。だが、グラントの浮気が発覚して別居することになる。冷め切ってしまった妻の気持ちを、プレゼント攻撃で何とか取り戻そうとするグラント。レストランに妻を誘い、関係の修復に懸命に努めていた。その帰り道、殺人事件を目撃してしまったのだ。犯人に顔を見られた2人は、警察の“証人保護プログラム”により、身分を隠してワイオミングの田舎町へ向かうことになる。



ラブコメは解釈云々ではない。お気楽に見るのがいい。
ヒューグラントがラブコメの帝王であり続けるのは、ハンサムな容姿とドジなキャラのギャップが面白いからだ。常に一流の女優がお相手だが、帝王らしくスマートにふるまう。


マンハッタンの大都会から田舎町に行くと、家のすぐそばで熊に遭遇したりする。最近は日本でも熊が山から下りてきて、住宅地でえさをあさったりする。連日報道されるようになった。えさがないのかな?そんな感じで山の中に入り込み、田舎生活の中よりが戻ってくるように見えるが、単純にいかない。
まさに旬の女となったサラ・ジェシカ・パーカーもヒューグラントと並んでコミカルな動きを見せる。熊除けのスプレーをかけようとして、グラントが自分に吹き付けてしまったり、途中ロデオの大会に見に行くときに、ぬいぐるみの牛の中にサラとグラントが一緒に逃げ込むシーンは大笑いだ。映画としては普通の映画だが、気楽に楽しめる。

バックに流れる音楽がいい。オールマンブラザースバンドのインストゥルメンタルナンバー「ジェシカ」、ベイシティローラーズ「サタデイナイト」など40代から50代に向けたものだ。それに加えてクィーンのロックンロール調の曲Crazy Little Thing Called Loveを小さい女の子がダンスパーティで歌う場面は本当に楽しそう。最後はスティービーワンダーのビートルズナンバー「ウィーキャンワーキアウト」で締める。なかなかのセンスだ。好きな音楽が流れまくると気分良くなる。
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