昨夜からの雨でやっと庭先の雪も解け、梅に雨滴。立春まじかだが一雨ごとに春に向かっていくのだろう
年明けから株価低迷、あがったりさがったり、原油安でどうしようもなし。出ました、日銀、田バズーカ、甘利経済再生担当大臣がまたぞろカネ問題で辞職する暗雲環境下、なんと初のマイナス金利を発表。原油が値をもどしたこともあって市場は即反応、為替も121円円安にふれ日経平均は476円高の17518円。株式市場はまさに生き物だね、世界のマネーは利を求め正直に動く。しかし思惑通りに銀行資金が設備投資に回るか、住宅ローン金利下げでばかすか家やマンションが買われるか、少々?ではあるが・・。まずは18000円復帰だね
じたばたせずじっとエネルギーをためておくのがいいのよと荘子はいう。あらためて加島祥造さんの「荘子・ヒアナウ」の要約を紹介しよう。
「荘子・ヒアナウ」加島祥造 骨子
1、人間の名づけるすべてのものや、ものを知ったと思う人間たちの向こうに名もない道(タオ)の領域がひろがっている(タオ・・老荘思想)
2、始めの始め・・ものには始めがあるというがその始めを始めさせる何かがあったはず。これが存在というもののあり方だ。すなわち存在しない何かがあるということは結局存在そのものに始めも終わりもないということ。
3、混沌の中から天と地が分かれたといわれる。天と地の神様が混沌の神に恩返ししたいと人間の持っている7つの穴を混沌の神に毎日ひとつづつ開けていった。混沌王は喜んでいると天と地の神は思っていたが混沌王は死んでいた。
4、大きな鳥と小さな鳥・・北の海にコンという巨大な魚がいた。その魚が鵬という
巨大な鳥になり9万里の高さにまで舞い上がった。それをセミと小鳩が笑いあってながめて、俺たちは林に飛んで行って楡の枝に止まるのがせいぜいのところだ。なんで9万里も飛ぶなんて無駄なことをするのか。小さな知識は大きな知識と比べられないがどちらが価値があるというものではない
5、朝三暮四・・目先のことにとらわれるな。ある人がサルを飼っていて、サルたちに朝三粒の豆をやるよ。そして夕方に四つだ」するとサルたちは猛反発した。そんなことじゃ我慢できない。そこで彼は言った。「じゃあ朝四つやるし、夜には三つやるよ」サルたちはすっかりうれしくなっちゃった。
6、川の神と海の神・・賢明な人は過去と現在を同じ目で見渡します。過去のことで悲しまないし現在のことでいらいらもしない。すべては動き変化してやまない。生まれることも死ぬことも始めでもなければ終わりでもない。幾千もの支流をあつめた川の神が俺は天下をすっかり手に入れたと思っていた。どんどん東に流れ海にでくわした。何たる広さ!海の神にわびた。知識をいくら多く集めてもこの大きさに比べたら話にならんですな。水を一番多く集め、増えもしなければ減りもしない。しかしあの空と比べたら大きな山にある小石みたいなものよ。比べるだけでは何もわかったことにはならないのよ
7、ほんとうのこと・・善悪正不正美醜、あれとこれの違いを表面でいうだけで両方とも一面のことにすぎんのだ。ひとの本当のことはわかるもんじゃない。むかし二人の美女がいて男の目をひいた。その二人をみると魚は逃げ鳥は飛び立ちシカは森に去った。彼たちは人間のいう美しさなんてなんの用もないんだ。人もそれぞれでわかっているつもりだけでほんとのことは何もわかっていないものだ
8、流れとスペース・・はじめてモノができたとき気がやどりものの性質ができパワーになった。そのパワーを決めるのは受け入れる空間、器が空っぽであることが重要。眼は邪魔なものがなければよく見える。心だって空っぽだとよく動く。すべて物の命は流れが邪魔されることで淀み濁る。家にあいているスペースがないと諍いがおこる
9、体の主人は誰か・・人間の体は百の骨と九つの穴と6つの臓器でできていて、みな個々に体の中で役立っている。つまり一人の主人に仕えている。それはどこにいるのか?まあ、それを「気」とよんでおきたいね
10、 酔った人・・意外とけがをしない。自分の心と体が心配や恐怖を意識しなければ心と体は死の恐怖を逃れている。だからタオの大自然のエナジーをたっぷり飲んでいたら君の命はどれだけイキイキすることか
11、 ダメ人間・・魚は道徳など知らずにいきいきしている。人間もタオのなかで道徳など考えずにイキイキできる。道徳ガチガチ人間は天から見ればダメ人間なんだよ
12、 百本の足の動かし方・・ムカデが蛇に私は100本の足で動くがあなたは足がないのになぜ早く行けるのか。誰もみんな自分に備わった動きをするだけのことなのさ。
13、 大木とガチョウ・・何の役にもたたない大木はそのまま切られずに残る。鳴かないガチョウは先に料理されてしまう。役に立てば危ないし、立たなくてもやられる。中間がいいということだね
14、 役にたたないこと・・荘子さん、あなたのいうことは世間にはあまり役にたたないことばかりですね。君ね、この広大な大地は君が歩くには不要だ。きみの足の分だけあればよい。しかし足の周りは断崖絶壁ばかり。こうなれば君は身動きもできない。自分には無用とおもっているのがほんとはどんなに役立っているか、まずはこれを知ることが大事(無用の用)
15、 空っぽの船・・われわれはごたごた角突き合わせて生きている。たとえば君が川を渡ろうとする。向こうから船がやってきて君の船にぶつかったら、君はその船にもっている男をどやしつけるだろう。もし船に人が乗っていなければ怒鳴ったりしない。君が自分という船を空っぽにして人生を漕いで行ったらぶつかった人は怒鳴ったりしないよ
16、 自分の影に驚く男・・奇妙な男がいて自分の影と足音がこわくて懸命にかけてかけて逃げたのだが走れば走るほど影と足音がおっかけてきてとうとうその男は死んでしまった。この男はかわいそうに影と足跡を消すには木陰に入って休めばいいということに気付かなかったのさ
17、 タオの人の動き・・静かでゆったりとしてものに巻き込まれない。くつろいで受け身(力をためておく)でいて、ちょこまか動きまわらない(次の行動の準備ができている)。これがこの世で無事にくらす秘訣。最強の闘鶏は木鶏、あらゆることに動じない木彫りのような闘鶏
18、 違いを見ないで同じを見る・・刑罰で両足を切られたオウタイという人がいてたくさんの弟子がいた。なぜ信頼をえたのか。オウタイはものを違っているという観点からみない。腎臓も肝臓も同じものとみる。両方は同じものとみる見方、するといちいち心が迷わされなくなる。両足を失ったことなど肩のふけを落とすくらいにしか考えない。
19、 荘子は妻がなくなっても平然としていた。もともと混沌のなかからやってきたわけだから、死は春夏秋冬という一つのサイクルが終わっただけで妻は天地の大きな家に横たわっているさ
20、 知識を学ぼうとするものは毎日何かを知り覚えこもうとする。タオを求める人は毎日何かを忘れ去ろうとする
21、 自分の値打ち・・たとえ自分になにか値打ちがあってもその値打ちは表に出さぬことだ。そうすれば君がどこに住もうが人に愛されるのだよ。
さあ、ブログ読者のみなさん、どう思われますか