ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

160127 氷点下3日目、太宰府天満宮防火訓練撮影行かず。老荘思想、「荘子」読む、おもしろい!

2016年01月26日 | アフターセブンティ

 今日は文化財防火デイで太宰府天満宮の防火訓練を撮影に行く予定だったが想定外の大雪で行かず。訓練が行われたかどうか定かではないがこんな大雪で、放水があったら天満宮境内は雪と水でびちゃびちゃ、泥沼だね。みかんを半分にきって雪の上においてやると早速、メジロがやってきてついばみ始めた。彼らは大変だね。どんなに大雪であろうが食事は自分で探さなくては生きてゆけない。その点、自分はありがたい。妻がいつもおいしい夕食を作ってくれる。

いつも2羽そろってやってくる。1羽がまず斥候役でやってきて、それからあいかたを連れてくるようだ

メジロがとびかっていると必ず裏山からひよどりもやってくる。

この2~3日の風雪で彼らもおなかをすかせているようだね。輪廻転生、来世はめじろにうまれかわるかもしれない。家族とおもって食事の世話をしてやらねべならない

 家にとじこもりで図書館から借りてきた2冊目の本、「荘子」ヒア・ナウ。荘子は今まであまり縁がなかったが、日本の江戸、明治、大正から現代にいたるまで日本人の精神的なよりどころであった孔子、孟子の儒教思想に対立する老子、荘子のいわゆる老荘思想を65000語の奇想天外な話やユーモアや皮肉のこめられた話でその考え方、タオイズムを展開する壮大な書物。2400年前、中国にとてつもない男がいた。

 老荘タオイズムの面白いところは社会通念や一般常識とは逆の方向を示しているところにある。われらの世代も、また今の世代も「負けるな、人より先をゆけ、遅れるな」というスローガン、競争原理が人を動かしているが、タオイズムは「負けても良いのだ、人より先に立とうとするな、人のあとからお行き」と勧めている。なにか小市民的な思想のような感じがしないでもないが分相応、自分のキャラにあった生き方をするほうが幸せになれる。年収500万で幸せを感じれるように生きるか、年収5000万をめざして人の10倍シャカリキに働いて、家族をほったらかしにして、挙句の果ては体を壊してしまったら元も子もない。体制を否定はしないが、体制の外からみた第二の視点で自分の人生を見よということか。

 人生の極意を多くの寓話でもってユーモアたっぷりに示している。「空っぽの船」という話では、今の世の中、角つきあわせて生きているが空っぽの偉大さにきずきなさいという。君が川を渡ろうとしてむこうから空っぽの船がながれてきて君の船にぶつかったとする。誰か乗っていたら文句の一つもいい、時には喧嘩になるが、空っぽで人が乗っていなければ怒鳴ったりすることはない。君が自分という船を空っぽにして人生を漕いで行ったらぶつかった人は怒鳴ったりしないよというわけ。

 自分の影に驚く奇妙な男がいた。自分の足音もこわくて、走って逃げるのが一番と考え、走りに走ったがついにはばたりと倒れて死んでしまった。この男は足音と影を消すには木陰にはいって休めばよいということを知らなかった・・・

 「いまだ木鶏たりえず」とは69連勝の双葉山が70連勝できなかったときに言った言葉で有名だが、真のタオイズムの境地は物事に動じず、ゆったりして、静かで、ちょこまかしない木彫りのような鶏で泰然としている状態でいること。最大のタオエネルギーを内在した状態で無事に暮らして行くことができるとしている。

 現役時代に読んでおけばもう少し生き方が変わったかもしれないね

コメント
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