68歳の誕生日。気分は外の陽気と比べるといまいち。写真愛好会の定例写真展が太宰府市のI情報センターで6月1日まで開催される。9時前設営にでかけ、各自の出品作品の解説、地元のケーブルテレビのインタビューなど、12時前に終了、スーパーで弁当とおにぎりをかってかえり昼食。30度近い気温になり、なんとなく体調がよくない。2Fより1Fのリビングのほうが涼しいので読みかけの「海賊とよばれた男」をもって階下におり読み始める。第一章の朱夏を読み終え第二章の青春にはいっている。2013年の本屋大賞第一位で全国書店が一番売りたい本ということで選ばれた小説。出光石油の創業者出光佐三をモデルにしたドキュメント小説。作家の百田尚樹がテレビにでてコメントしているのを何回かみた。小説は出だしの数行で決まると述懐していた。・・・「青い空がどこまでも続いていた。湧き起る白い入道雲のはるか上には真夏の太陽が燃えていた。見上げる国岡鉄造の額に汗が流れかけていた眼鏡がずれた。シャツにもべっとりと汗がにじんでいたが暑さは微塵も感じなかった。・・・終戦の玉音放送のあとの光景だろう。
コンサル時代、出光石油という会社が組合も定年もない家族経営で上場もしないきわめてユニークな会社であるという受けとめかたをしていたが今回自分の戦後史と重ねてどんなドキュメントが展開されているのか興味を覚え買った次第。いづれにしても作家の力量というかそのスピード感でぐいぐい読者を引き込んでゆく。終戦後敢然とGHQや旧態依然たる業界組合とたたかってゆく主人公の豪快さに、そこまでやりきれなかった自分と比較して惹かれて行くのだろう。
まあ68になった今、いまさら過去をふりかえってもどうにもならない。完全リタイアしてまる3年が過ぎた。三浦雄一郎さんみたいに80になってあのような大偉業をなせるはずもないが仮に80歳を男の寿命と仮定するとあと12年。睡眠や食事ほかの生理的時間など差し引くと1日12時間×12年×365日=52560時間の自由時間が残されていることになる。完全りタイアした時、6万自由時間活性化委員会を一人でたちあげ、趣味のグループはふえてヒマをもてあそぶということはないが、はてさてこんなものでよいのやら?ではある。