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登山

2004-07-04 00:00:00 | カッチイ’s ジャーナル

地元の生駒山に、先週登った。これは、「登山・ハイキング教室」のプログラムに参加してのことだったのだが、盛況でびっくりした。今は、ハイキングは、流行らしい。元気な中高年が嬉々として集まる。

シルバーコンパスを使い、現在地を確認し、地図上の指示された場所への方角を出す。地形図を読んで歩くオリエンテーリングを体験したのだ。

今まで、山に登るというのは、「登山道」をただ歩き、「分岐点」の看板を頼りに、「山頂」を目指すだけであった。地形図は、等高線が主役で、そこから、小さなピークとも呼べないような小さな盛り上がりや、尾根の分岐、角度の変化などの地形を示している。それを読み込んでいくという練習をしたのだが、山を登りながら、学生のことを思った。

私の学生達は、今就職活動の真っ只中だ。彼らにとっては、就職口を見つけるというのは、社会という山に登るのに似ているかもしれない。ほとんどのの学生にとっては、とりあえず山は登らねばならないものとして立ちはだかっている。

しかし、どう山頂を目指せばいいのかわからない。就職を確約するような学校のうたい文句にだまされたという。山に登るのは、彼ら自身なのだが、彼らの言い分を聞いていると、ケーブルカーがついていないから、山に登れないと言っているように聞こえることがある。

今、地形図は誰にも与えられているとしよう。(本当は、どこで地図を手に入れればいいかという根源的な問題があるのかもしれないが、伊能忠敬のような先達がいて、苦労して、私たちに残してくれたものがあると仮定しよう)

地形図を見て、実際に歩いてこそ、沢や山の大きさや斜面の段丘を判断できるのだ。尾根や谷などでの形そのままに、山を把握しようとすることで、山の全容をつかめる。汗を流して到達した山の中腹に立ったとき見えてくる景色は、ケーブルカーで一気に上がったものには得られない感動を与えてくれる。

鍛錬を積むと地形図を見ただけで、山をイメージできるという。天候が変りやすいのも山の恐ろしさなんだけど、風のそよぎ、緑の濃さを教えてくれる山登りは、辛くも楽しいものだ。


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