昨日の第29回日本アカデミー賞授賞式の興奮もさめやらず、くうう、何回もビデオで見直しちゃたわ。
日本アカデミー賞も、その年のベストオブベストを選ぶ映画の祭典として、しっかり日本に根付いて、受賞者が、心を打つコメントを言い、ジョークも飛び交うようなムードになってきて、これも歴史というものでしょうか。
新人俳優賞だけは、最優秀を選ばないのは、見識があっていいと思うけど、あえてカッチイ的に、選ばせてもらうなら「亡国のイージス」の勝池涼くんかな。そうそうたる共演者を向こうに回し、イージス艦内を、瞬発力のあるアクションで飛び回り、頑張ってたと思う。(蛇足だが、授賞式で、天才子役の新木 隆之介くんは、声変わりが始まっていてびっくりした。)
40代の練れた役者ばかりが候補になった「優秀助演男優賞」のときが、一番リラックスムードで、見ていて面白かった!吉永さんとの共演秘話を暴露した香川照之さんのコメントが最高だった!本当に、バイプレーヤーとして堂々の地位を確立してるよね。
「ALWAYS三丁目の夕日」は、どの映画賞でも、助演男優賞の堤さんと、助演女優賞の薬師丸さんは、総ナメで、もちろん日本アカデミーで取るのも、下馬評でも最有力だったから、取ったのは順当だったと思う。
今まで、賞に縁のなかった堤さんが、実力をつけて40代になって最優秀を取れたのは、ファンであるカッチイも嬉しかったな。高校卒業後、上京して、JACC所属で、真田さんの付き人だったところから出発した演劇青年なんだもんね。
薬師丸さんも、堤さんも、山崎監督とも、同年代。山崎監督は、ファンだったから(笑)という理由で薬師丸さんを起用したというけど、10代の頃アイドル女優としてヒットした彼女が、また映画に戻ってきて評価を受けたのは、素晴らしいし、ご本人も、「継続していくことは、難しいけれど、こうして賞を得て喜んでくださる人たちに、どれだけ支えられてきたのかと思う」と語られていた。
そんな彼女だから、彼に起こったもろもろのことを思い、吉岡さんに、エールを送る気持ちが強かったのかもしれない。吉岡くんの受賞の時、泣いてくれたあなたは、とっても美しかったです。役中のトモエ母さんみたいに、優しい人柄なのね。
今年の各映画賞を振り返ってみると、主演男優賞に関しては、ばらけていた。
ブルーリボン賞では、真田さん
日刊スポーツ映画大賞では、市川染五郎
キネマ旬報賞では、オダギリジョー
アカデミー賞では、カッチイの予想では、梨園の若様、市川染五郎に、持っていかれるかと気が気じゃなかったけれど、舞台があるということで、最優秀の発表を待たずに、会場を後にされたので、その場にいない人に、賞は、渡らないだろうと思ったので、これはいけるかもと思ったわ。
若い妻夫木くんや、初めての主演をやったユースケサンタマリアでは、まだその時期でない。真田さんは、もうもらったことあるんだから、ここは、吉岡くんに、あげてほしいと祈る思いだった。
「ALWAYS三丁目の夕日」は、それぞれの役者の個性が立つ映画だったけど、吉岡さんは、主演として、きちんと見せ場もあり、かつ、共演者の演技を引き出していた。 それこそ渥美清に導かれて、幼いころから演じてきた彼だからこそ、対等の役者として、淳之介役の須賀健太くんの演技を受け止める度量があったと思うし、指輪のシーンは、小雪さんの今までの演技で一番よかったと思う。
結果的に、「ALWAYS三丁目の夕日」は、主演女優賞のみを逃したので、小雪さんは、ちょっと分が悪くなったように見えるけど、彼女は、主演女優と呼べるほどシーンは多くないからね。
9ヶ月間、北海道で格闘して、全編を堂々主演した吉永さんが取るのもしようがない。大ベテランも、今回ばかりは、涙ぐまれてた。「北の零年」に、ひとつも賞が入らなくて悔しい思いだったろうし、一矢報いたということになって良かった!
「私がいただいたけれど、みんなで取った賞だ」と語気強く言われたのには、やっぱりこの方は、日本の女優の鑑ですね(笑)
「バッチギ」はね。大衆受けする作品ではないからね。井筒監督は、正直だから、悔しそうな表情がテレビで映った(笑)毒舌だから、取って、とんでもないコメントを言うかもしれないから、アカデミー賞側が、懸念したのかも?(それはないか)
もちろん賞を取る映画だけが、素晴らしい映画だとは思わない。でも選ばれるには、選ばれる支持があってのことだし、映画界の励みになるんだし、観客となった私たちにも、嬉しく楽しいことなんだから、もっと隆盛してくれたらといいと思う。
ただセレモニーなんだから、品位があったほうがいいと思うから、オダジョーのヘアは、堤さんも「何じゃそれは」とジョークにしてたけど、奇抜をねらったばかりで引いたよね。
彼は、こういう場で、ちょっと寒くなるようなコメントを言う。堤さんにトロフィーを渡すときも、ひょいって感じで、プレゼンターなのに、受賞者に握手もしなかったし。浮いているというより、礼儀がないってことでしょう。華のある才能のある役者さんなんだし、こういうちょっとしたことを、気をつけたらいいのに(と思うのは、オバサンでしょうか?)
去年の最優秀主演女優賞の鈴木京香さんが、「クランクアップの前には、今でも怖くて仕方がなくなることがある。」
どの俳優でも、抱える悩みなのだろう。吉岡さんは、そんなとき、渥美清さんの笑顔を思い出すという。俳優には、現場に向かう活力を奮い立たせるそれぞれの煩悶があるのだろう。「怖いけど、映画って最高です!」と続けた鈴木京香さんの言葉に、乾杯!
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