ドイツに住んでいた頃に、何度もドイツのパッケージツアーに参加したことがある。カッチイは、ガイドをしていたので、自分がヒマになるのは、今のような2月の寒い時期で、そのころは、寒くて暗いドイツには、飽き飽きしているので、暖かいところ、ちょっとエキゾチックなところ、それに安いところというと、スペイン方面になることが多かった。
ドイツ人のパッケージツアーは、行き帰りの飛行機と、宿泊場所は、ひとところで、1週間単位からというとことが基本である。2週間は、1週間の倍ということはなく、時間に余裕のあるドイツ人たちは、だいたい2週間で申し込むようだ。大手のTUI(http://www.tui.de/TUI/Startseite)などの分厚いカラー刷りのカタログを、目を皿のようにして見るのは、めちゃくちゃ楽しかった。スペインのマヨルカなど、ドイツ人がよくいくところだと、2週間で(飛行機つき、ホテル3食付)で、5万円くらいであったから、さすが旅行好きな国の提供するツアーは、違うわと思った。
パッケージツアーには、添乗員なんかいない。チャーター機で、現地に各人が行って、各自の泊まるホテルまで送迎してもらうだけだ。3食つきだと高くつくし、飽きるので、キッチンつきのところにしたものだ。市場で、ドイツより新鮮な魚を買って、焼き魚にして、持参のしょうゆをかけて食べたりしたのは、楽しい思い出だ。
ドイツの街にある一般の旅行会社は、ほとんど大手の旅行会社のパッケージツアーを売るホールセラーで、面白みはないないけれど、住宅地でも小さなオフィスで開業できるなら、気楽でよいなあなどと思いながら、自分ペースで仕事を進めるスタッフの顔をカウンター越しに観察していた。
一度、帰りの日、現地で、空港まで送っていくバスが来なくて往生した。同宿していたドイツ人たちが怒りだし、旅行会社の現地事務所に連絡をして、1時間以上待たされてやっとバスが来た。旅行会社のスタッフは、「事故があったので」と言ったきり、ほとんど謝りもしなかった。「それは私の責任ではありませんから」と言い放ったシレとした態度は、日本の旅行業界にいたカッチイには、ヒェーと嘆息をつかせるのに十分だった。当のドイツ人たちは、怒ってたけど、こういう態度に出られることは、けっこう慣れてるらしく、ゴネル人がいなかったのも、カッチイを驚かせた。日本だったら、もう添乗員・ガイド平謝りだろうにね。