日本に帰ってきてから、日本の映画やドラマが、大好きになった。その魅力に開眼したというべきかな。優れた作品を見ると、すぐそれを演じた俳優さんのファンになり、監督さんに尊敬の念をいだく単純なカッチイです。
ドイツでは、いかにも西洋人といったドイツ人俳優には、ついぞのめりこめなかった。言葉の問題もあったが、根底にある文化的バックグラウンドを、こちらが土台として持っていなかったこともある。だから、私の心の琴線に触れるということがなかったのだ。俳優さんのオーバーなアクションや、語り口にも、ついていけなかった。
日本では、人情話に、オイオイ泣いていたり、時代劇に心躍らされている自分がいたりする。日本人俳優さんのセリフ、表情、動きには、「うん、わかるよ」とひざをたたいてしまう。どの俳優さんに対しても、遅れてやってきたファンになるので、好きになった俳優さんの過去の作品を見ていくのも実に楽しい。
まあ、映画は、基本的に、監督のものだよね。監督のビジョンが、具現化されるものだから。
映画は、本当に丁寧にワンカットを撮っているし、ちゃんと映画館のスクリーンで見たほうが絶対いいと思いつつ、お手軽に、うちでビデオやDVDで見てしまう。あの暗い閉じ込めれた空間で、俳優さんの毛穴まで見えるスクリーンで見るのが、作品への敬意だとは思うんだけどね。
連ドラといわれるテレビドラマは、今の時代の空気をよくキャッチしていると思う。テレビドラマの視聴率は、下がっているらしいし、レベルの低いドラマが垂れ流しされていることも事実だ。それでも俳優さんたちにとっては、連ドラに出ることは人気のバロメーターだろうし、正直、舞台や映画だけにしぼって、役者稼業できるひとは、少ないだろうしね。10回ないしは、11回の連ドラは、限られた時間に、映画の5倍の時間は、映像を作らなければならないわけだし、独特のスピード感もあるのだろうと思う。
さらに、テレビも映画も、最近は、原作本や、主題歌も、タイアップして、メディア総出で、宣伝するものだから、楽しみ方は、倍増する。ネットでも公式サイトほか、ファンサイトも花盛りの状態だ。ファン同士の意見の交換も、関係サイトのBBSできる。まったく、いい時代になったもんだ。これって、メディア戦略に陥っているだけ?