僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

ミトコンドリア・イヴ

2008-03-30 23:20:03 | Weblog

 1987年、とんでもない説が発表されました。現在の人類の祖先は、29~14万年前にアフリカに住んでいた、あるひとりの女性であったというのです。

 これは、DNAの研究からでてきた仮説である。細胞内のミトコンドリアがもつDNAは、ヒトなど高等生物の場合、母親側からしか遺伝しないことがわかっているので、これを調べることで母方の先祖をたどることができます。そして、アフリカ人、アジア人、オーストラリア人、ヨーロッパ人、ニューギニア人からとったミトコンドリアDNAを比較して家系図をつくった結果、アフリカ人から他の人種が枝わかれしていったことがわかったのです。

 この説によれば、現在の人類は、20万年ほど前にアフリカに出現した新人から枝分かれしていきました。世界各地にいた原人たちは、子孫を残すことなく絶滅したということになります。ちなみに、人類共通の先祖と想定されるアフリカ女性は、旧約聖書に登場する最初の女にちなんで「ミトコンドリア・イブ」と名付けられました。

 現在アフリカ人に引き継がれているミトコンドリアDNAのタイプが13種類発見されているそうですが、その内の1つだけが、約10万年前に誕生の地、アフリカを離れ、中近東に向かいました。

面白いのは、人類がそこでかなり長い間(数万年間)、中東に留まったと推測されている事です。この「停滞」もしくは「長期逗留」の原因は良く分かっていないようです。一説では、その地を、すでに占めていたネアンデルタール人との「生存競争」に中々勝てなかったためだとされています。この時期こそ、人類第二の揺籃期と言えるのではないでしょうか?

そして、6~9万年前に起きたなんらかの「革新」が、ネアンデルタール原人と共存していた状況を一変させたようなのです。中東を出た人類は、原人(旧人と言わないといけないのでしょうが)達を僻地に追いやりながら、今まで溜め込んでいた力を一気に放出するかのように、一気に全世界に拡散して行きました。凍結したベーリング海を越えて新大陸を移住した人類は、なんとたったの一千年で南アメリカ南端に居住域を拡大しました。

パスカル

2008-03-30 21:29:54 | Weblog
 「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」
『パンセ』の一節です。

「人間の尊厳のすべては、考えることのなかにある」
「考えが、人間の偉大さをつくる」

とも書いていますが、パスカルは、物事を実に徹底的に考え抜いた人でした。
彼は、人間についてこう言います。

「すべての人間は幸福を求めている。これには例外がない。その手段がいかに異なっていようとも、みなこの目的に向かっている。意志は、この目的に向かってでなければ、一歩も前へ進まない。これはあらゆる人間の、みずから首をくくろうとする人に致るまでの、あらゆる行為の動機である」
人生の目的は幸福であるとした上で、パスカルは真の幸福を考察していきます。
そして彼は、人間が幸福になるには、死の問題を克服し、来世での幸せが保証されなければならない、と確信します。

 フランス人パスカルは、数学者であり、物理学者でもあり、偉大な哲学者であります。16歳でパスカルの定理を発見しました。また、三角形の内角の和が二直角であることを証明し、1からnまでの和が(1+n)n/2である事も証明しました。
また気圧の単位にもパスカルが使われているほどたくさんの業績を残しています。
 
 有名な「人間は考える葦である」とは、人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超える、というパスカルの哲学者としての宣言を表しています。それは人間に無限の可能性を認めると同時に、一方では無限の中の消えゆく小粒子である人間の有限性をも受け入れているということなのです。
 
 




春とともにOさん来る

2008-03-30 00:02:58 | 思い出
 今日29日、以前わたしのアパートに住んでいた大学生のお母さん、Oさんが、新鮮な魚を持って寄ってくれました。
 Oさんが、仙台で姪っ子のアパートの世話をしていた時、隣の部屋の住人がやはり山形の人だったらしく、Oさんが「山形の人って親切ですね」と話しかけたら、偶然にもその山形県人はわたしの知り合いでもありました。
「世の中は広いようで狭いよね~」といいながらも、山形県人を褒めてもらってとてもうれしく思うのでした。
 Oさん!とても懐かしかったです。