僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

パスカル

2008-03-30 21:29:54 | Weblog
 「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」
『パンセ』の一節です。

「人間の尊厳のすべては、考えることのなかにある」
「考えが、人間の偉大さをつくる」

とも書いていますが、パスカルは、物事を実に徹底的に考え抜いた人でした。
彼は、人間についてこう言います。

「すべての人間は幸福を求めている。これには例外がない。その手段がいかに異なっていようとも、みなこの目的に向かっている。意志は、この目的に向かってでなければ、一歩も前へ進まない。これはあらゆる人間の、みずから首をくくろうとする人に致るまでの、あらゆる行為の動機である」
人生の目的は幸福であるとした上で、パスカルは真の幸福を考察していきます。
そして彼は、人間が幸福になるには、死の問題を克服し、来世での幸せが保証されなければならない、と確信します。

 フランス人パスカルは、数学者であり、物理学者でもあり、偉大な哲学者であります。16歳でパスカルの定理を発見しました。また、三角形の内角の和が二直角であることを証明し、1からnまでの和が(1+n)n/2である事も証明しました。
また気圧の単位にもパスカルが使われているほどたくさんの業績を残しています。
 
 有名な「人間は考える葦である」とは、人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超える、というパスカルの哲学者としての宣言を表しています。それは人間に無限の可能性を認めると同時に、一方では無限の中の消えゆく小粒子である人間の有限性をも受け入れているということなのです。
 
 





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