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J・エドガー

2012-02-01 13:04:12 | 映画!
1/28の日記「2012年に観た映画(4)」にも書きましたが、28日は映画『J・エドガー』を観ました。ご存知のとおり、米連邦捜査局(FBI)の初代長官ジョン・エドガー・フーバーの一生涯を描いた物語。かなり評価が分かれているようですが、私の中では◎、非常に興味深い作品でした。好きな映画は何度も劇場に観に行くのが私の悪いクセで、一昨日30日に2回目の鑑賞。というわけで、今日はこの映画について書いてみたいと思いますが、ネタバレしていますので、これから作品をご覧になる方はここでストップしてください。

まず、序盤でフーバー氏がアメリカ議会図書館で働いていた時のある功績がさらっと紹介されます。そのちょっと後に、彼が当時捜査局でマークしていた共産主義者の情報を管理する方法を部下に指示するシーンがあるのですが、実はこの映画の構成そのものも彼が考案した、カテゴリー別に情報を管理する方法を意識して作られているのではないかと思いました。この作品は「物語の時間が前後してわかりにくい」という意見もある(セリフでもフーバー氏は「誰でも簡単に情報にはアクセスできない」というようなことを言っていますが)ようですが、私自身はあまり混乱しませんでした。

この作品で興味深かった点の一つはフーバー氏がどれほど有能で、FBIをどのように強固な組織に作り上げていったかということです。そのやり方には問題もあったようですが、彼がいなければFBIの調査・捜査力のレベルは今ほど高くなかったかもしれません。また、彼が結果を残せたのは彼が選び育てた優秀な部下のおかげだとも言えます。特に副長官のクライド・トルソン氏。彼はフーバー氏の右腕でもあり、心の支えでした。実際、私がこの映画にタイトルをつけるとすれば、『J・エドガー』ではなく、『エドガーとクライド』にしていたと思います。そして、忘れてはならないのが秘書のヘレン・ガンディ女史。彼女をテーマにした映画を作ってほしくなるほど非常に興味深い人物です。トルソン氏、ガンディ女史やたくさんの部下に支えられ、フーバー氏は亡くなるまで長官としてFBIに君臨したわけです。

出演者についてですが、主演のレオナルド・ディカプリオの演技が卓越していたのは言うまでもなく、優秀な人物でありながらも大きな葛藤を抱えていたフーバー氏を見事に演じていました。特に母親から "I would rather have a dead son than a daffodil for a son." と言われた後、ダンスを教えられるシーン。愛する母親から「女々しい息子ならいない方がマシ」と言われるなんてどれほど衝撃的なことか。思わず涙が出ました。また、トルソン氏を演じたアーミー・ハマーも素晴らしかったです。彼のフーバー氏を見つめる時の目の輝き。CGで映像を加工しているのではないかと思ったほど。個人的にはアカデミー賞助演男優賞にノミネートされてもおかしくない演技だと思いました。

一般的に見ればフーバー氏は嫌われ者だったのかもしれません。でも、私はいろいろな理由から彼に親近感を持っています。一番の理由はフーバー氏とトルソン氏の関係。男女であろうと男同士/女同士であろうと仕事と私生活両方においてここまで強固なパートナーシップを築ける人はそうそういないと思います。私がこの映画が大好きな理由も、まさにここにあるのです。
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