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私が映画『バズ・ライトイヤー』を愛する理由 (ネタバレ要注意)

2022-07-27 20:25:02 | 日記
7月1日に劇場で公開された映画『バズ・ライトイヤー』、実は私はそれほど期待していなかったのですが、初日に観に行き、完全にハマってました。字幕版のみですが、すでに4回鑑賞し、日本語吹き替え版も近日中に観る予定です。好きな映画は何度も劇場に行って観るのが好きな私ですが、今年4回も映画館で観たのはこの作品だけです。というわけで、なぜ、『バズ・ライトイヤー』をそこまで好きになったのか、書いてみたいと思います。

バズ・ライトイヤーが映画『トイ・ストーリー』シリーズのアンディ少年が持っているおもちゃの1つであることはみなさんご存じだと思います。が、『バズ・ライトイヤー』はこのおもちゃが主人公の映画ではなく、おもちゃの元であり、アンディが大好きな映画そのものという設定です。なので、『トイ・ストーリー』のバズと、映画『バズ・ライトイヤー』のバズは、声だけでなく、キャラもかなり違っています。

私が考えるこの映画の大きなテーマは2つ、「自分の失敗(誤り)をどう正すか?」と「他の人に助けてもらうことの大切さ」です。主人公のバズ・ライトイヤーは優秀なスペース・レンジャーで、自分の能力に自信を持っています。しかし、物語の序盤、調査のために立ち寄った惑星トゥカニ・プライムで、大きな危機に遭遇し、自分を過信したために、取り返しがつかないほどの大失敗をしてしまいます。そのミスをリカバリーする方法は1つしかなく、バズは命がけでそのミッションに何度も挑む(物語では具体的な回数は明示されていませんし、驚くほどあっさりと描かれているのですが、おそらく10回前後ではないかと)のですが、最後のチャンスも失敗に終わり、彼の心の支えだった大切な仲間をも失ってしまいます。

失意のどん底だったバズですが、あること(この物語でバズが初めて誰かの助けを求めたとも言える出来事)がきっかけで、もう一度だけそのミッションに挑み、ついにそれを成功させ、トゥカニ・プライムに戻ってきます。その先はすべてがうまくいくと思えたのですが、予想もしないさらなる困難がバズを待ち受けていました。トゥカニ・プライムに正体不明のロボットたちがやってきて、激しく攻撃していたのです。

そんな状況の中、バズはスペースレンジャー風の3人の男女に出会います。最初は彼らに期待していたバズでしたが、まったく頼りにならないことがわかり、自分ひとりでロボットを倒し、自分のミッションをやり遂げようと決心します。しかし、バズは巨大ロボット「ザーグ」に捕らえられてしまい、完全な窮地に陥ってしまうのでした…。

と、まぁ、あらすじはこんな感じなのですが、このザーグが「ただの悪者」はないことが、この物語の重要なポイントです。実はザーグも過去に大きな失敗をし、それを正すために何年もの努力を重ね、トゥカニ・プライムにやってきていたのです。なので、目的自体は悪くないはずなのですが、「なぜ失敗を正したいか」という理由と、「失敗の正し方」自体に問題がありました。あくまでも自分の汚名返上のためだけに、他でどんな犠牲が出てもまったく気にも留めず、自分の失敗を正そうとしていたのです。

そのザーグが I'm going to matter again! と言うシーンがあるのですが、この matter は Black Lives Matter に使われているのと同じ意味で、ザーグの言葉は「失敗をなかったことにして、また重要な存在に戻るぞ」というニュアンスです。つまり、彼は自分が失敗したことによって、自分が重要ではなくなったと考えている、ということです。正直、私もミスをしたり、人に迷惑をかけた時、つい「自分はなんてダメな人間なんだ」と思ってしまうので、ザーグの気持ちは理解できないわけではありません。

でも、失敗しない人間は重要で、失敗する人間は重要ではない、という考え方は間違っていると思います。なぜなら、完璧な人間は一人もおらず、どんなに優秀な人でも、時には失敗するからです。ザーグの考えが正しいとすると、重要な人間は世の中に一人もいないことになりますね。そもそも、人間の中で重要な人と重要でない人の区別をつけること自体、おかしくないでしょうか?

もちろん、失敗した時は、ほとんどの場合その失敗を正す必要があると思いますが、この映画は、なぜ失敗してしまったのか、という原因と、その失敗を正すのは、結局誰のため、何のためなのか、そして、どうすれば失敗を正すだけでなく、最終的に一番良い結果をもたらすことができるか、を考えさせられる作品です。そして、ここではあまり書きませんが、誰かの助けがなければ、成し遂げられないことがたくさんある、むしろ、助けを得た方がより大きな成果につながる、ということもこの映画は教えてくれます。

「自分の失敗(誤り)をどう正すか」と「他の人に助けてもらうことの大切さ」を学んだからこそ、バズのミッションは最終的には「成功」とまでは言えませんが、まずまずの結果に終わり、爽快なエンディングを迎えるのです(でも、エンドロールが終わった後には恐ろしい映像が…!)。

あと、この映画でほかにも注目していただきたい点をいくつか書いておこうと思います。

・猫型ロボット「ソックス」の表情やしぐさがとても豊か! かわいいだけでなく、性格的にも素晴らしい! ロボットなので、話す時わざわざ口を開ける必要はないのに…と思いきや、口から意外な武器が飛び出したり、ツールが出てきたり、挙句の果てに本物の猫なみに異物も吐き出せるという、驚くべき仕様! その人にあったオリジナルのゲームを作ってくれたりもするそうで、そんなことができるロボット、私もほしい! あと、人間が眠りにつけるよう sleep sound も聞かせてくれるのですが、その音が実際にこちらで聞けますので、よろしければお試しを。

・バズとソックスの決してあきらめない姿勢。ソックスが My mission is to help you, and I'm not giving up on my mission. とバズに言うと、バズも You know what, SOX, I'm not giving up on my mission either. と返事をしています。

・バズの親友、アリーシャ・ホーソーンが「婚約したの」とバズに言った時、バズは What's his name? ではなく、What's her name? と聞いています。つまり、この物語の基本的な設定として、職場の同僚などに自分の性的指向を隠す必要がない社会であることを示していると思います。この点も、この映画の素晴らしさだと思います。

・宇宙や基地、宇宙船などの描写が非常に細かく丁寧!

・Pixar作品(他のアニメ会社の作品もそうかもしれないですが) では、エンドロールで製作期間中に生まれた赤ちゃんの名前を紹介する Production Babies が流れるのですが、この作品では Future Space Rangers となっているのです。夢があると思いませんか?

・ 予告編に使用されている、映画用にアレンジされたデヴィッド・ボウイのSTARMAN。残念ながら本編では使用されておらず、サウンドトラックにも入っていませんが、気分がアガる曲です。やる気を出したい時、これをエンドレスで聞くのはいかがでしょうか?

まだ、この映画を観ておらず、この記事で興味を持たれた方は、ぜひ劇場に足を運んでください! 絶対、映画館の大きなスクリーンと音響装置で楽しむべき作品だと思います!
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